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デザイナー2人がCDOに普段聞けないことを聞いてみた

「距離が近いので、たまにCDOや副社長だということを忘れるんですが……」

インタビュー中にデザイナーから出た一言は、フラーのCDOとデザイナーの関係がよく表れているものでした。

今回はコミュニケーションで大切にしていることや、デザインに対するこだわりなどについてフラーのデザインを統括するCDOに聞きました。

聞き手は入社3年目のデザインマネージャーと新卒入社2年目のデザイナーです。


身近に感じてもらうためのメンバーとの接し方

古賀(デザインマネージャー):

デザインマネージャーをしています、古賀です。今日は新卒入社2年目のデザイナー吉原くんと一緒に、普段なかなか聞く機会のなかったことを、副社長兼CDOの櫻井さんへガンガン聞いていけたらと思います!

吉原(新卒入社2年目):

よろしくお願いします!

櫻井(副社長兼CDO):

ふたりともよろしくお願いします。いつもふたりとは仕事の内外でよくコミュニケーションを取らせてもらっていますが、……何聞かれるんだろ(笑)

古賀(デザインマネージャー):
さっそくなんですが、櫻井さんってデザインレビューをしてくださっているとき、どんなことを考えてやられているのかな、と。
わたしたちメンバーにどうなって欲しいと思ってレビューしてくださっているのかなと、改めて聞いてみたいです。

吉原(新卒入社2年目):
レビューを受ける側の僕らとしては、ちょっと気になりますよね。レビューそのものじゃなくて、僕らに対してどう思ってるのかってところが。

櫻井(副社長兼CDO):
なるほど。
まず、デザイナーに限らずですが、フラーには色々なタイプの人がいます。「ガンガンレビュー欲しいっす!」ってメンバーもいますし、「レビューってどんなことを言われるんだろう……?」ってちょっと不安に思ってるメンバーもいる。

それ以外にも、たとえば吉原くんは、社内コンペにも積極的に参加して「表現力を鍛えよう、鍛えたい」って思ってくれていて、古賀さんは「人のことをよく見る」気持ちや、そうやってものをつくることへの喜びが大きい。
こういう風に、レビューを受けるときの姿勢以外にも、その人それぞれに色々な背景がある。

なので僕としては、この人はどんな人かということをまずできる限り理解した上で、レビューをするよう心がけています。

古賀(デザインマネージャー):
確かに、フラーは色々な経歴のメンバーがいますもんね。

櫻井(副社長兼CDO):
逆に、あまり言い過ぎないように気をつけているのが、具体的な指摘。具体的であればあるほど応用が効きにくくなるので、基本的にコンテキストを伝えるようにしてます。
場当たり的な技術だけ教えて「聞けば大丈夫」だと思ってもらうより、自分自身をアップデートして自分で考えることができるようになってくれたらなと思っているからです。

その人のアンテナと引き出し、ひいてはその人自身ができることを増やしたいなと考えていますね。

古賀(デザインマネージャー):
なるほど〜。
実際、オフィスにいるといろんな人にレビューしてる櫻井さんの様子が見られますけど、人によってかなり伝え方が違うんですよね。
あれは「この人にはここの観点からの指摘をこういう形でした方がいい」、みたいなことを考えているってことですか?

櫻井(副社長兼CDO):
そうそう、そうです。
その人の特性やフェーズに合わないことを指摘しても消化不良起こしちゃうだろうし、逆に「こういうことを知りたい」って思ってるだろうなってことは伝えたいし。

逆にこちらから聞くこともあります。「これってどんなシーンで一番よく使われる?」とか。それに答えられない場合、その部分はもっと突き詰めた方がいいよねって伝えていますね。

吉原(新卒入社2年目):
僕はまだまだレビューをひたすら受ける側なんですが、マネージャーとしてレビューする側でもある古賀さんは、人から受けるレビューってやっぱり参考にするものですか?

古賀(デザインマネージャー):
しますね〜、こういう観点で言ってもらえると助かるんだな、とか。だから、こういう話ってすごく参考になります。レビューのレビュー、じゃないけど。
吉原くんはこのあたり、何か櫻井さんに聞きたいことあります?

吉原(新卒入社2年目):
作品をレビューするとき以外でメンバーと接するときは、どんなことに気をつけているか聞いてみたいです。

古賀(デザインマネージャー):
距離が近いので、たまにCDOや副社長だということを忘れるんですが……。

吉原(新卒入社2年目):
たしかに……(笑)

櫻井(副社長兼CDO):
(笑)
そうですね、……同じ人間であることを示すというか、弱みを見せることは意識しているかな。身近な人だと思ってほしくて。

僕が教えられることはいくらかあるかもだけど、逆に、僕が教えてもらうこともたくさんある。フラーのメンバーはみんなそれぞれすごいものを持ってるから。吉原くんにしか、古賀さんにしかわからないことがたくさんある。
それこそ新卒社員にもバンバン質問しています。

古賀(デザインマネージャー):
あー、確かにめちゃめちゃ「これ教えてほしい」みたいに聞いてくれますよね、櫻井さんって。

櫻井(副社長兼CDO):
そうなんですよ。
レビューって受けるのがちょっと怖い部分があると思うんです。だからこそ、そうやって親しみやすい人だと思ってもらう形で、普段から関係値をちゃんと高めておきたいなと。

……まあ計算してやってるというより、あくまで自分として普通にしてたらそうなっただけではあるんですが、今回改めて言葉にするならそんな感じですね。

古賀(デザインマネージャー):
ここのデザインどうしよう、って悩んだとき、普通はなかなか「じゃあCDOに相談しよう!」という気にはならないですもんね。

吉原(新卒入社2年目):
多分そうなんですよね? フラーだとそうやっちゃっていますが……。

櫻井(副社長兼CDO)
フラーってそもそも、他の人もそういう感じだよね。社長含め、立場的には上の人たちがみんなそう。フランクというか、フラットというか。

吉原(新卒入社2年目):
接しやすい態度でいてくださってるなとすごく感じますね。僕も上に立つような立場になるときがきたら、そうしたいなと思います。

ところで、フラーってどうしてこういう文化のある会社になったんですか?

櫻井(副社長兼CDO):
うちは「人」の会社なので、もうそこに尽きるかな。当たり前の敬意を持ち合おう、という。
そして、そういう考えを口酸っぱく事あるごとに言い合うんじゃなくて、自然と行動でそうしているところが、一番フラーらしいなと思います。

古賀(デザインマネージャー):
この座談会、いいですね。櫻井さんいつも以上になんでも答えてくれそう。

櫻井(副社長兼CDO):
なんでも答えます!

CDOの悩み、聞いてもいいですか?

吉原(新卒入社2年目):
櫻井さんのすごく良いところがまさにさっきの話に表れていたと思うんですが……。

古賀(デザインマネージャー):
悪い面が聞きたい? 櫻井さんの悪い面が。

櫻井(副社長兼CDO):
櫻井さんもうちょっと頑張りましょうよ! 的な?

吉原(新卒入社2年目):
いやいやいや、違う違う違います(笑)
悪い面じゃなくって、櫻井さんみたいな立場の方は、普段どんなことで悩んでいらっしゃるのかなって。

櫻井(副社長兼CDO):
悩み! 悩みかあ。
デザインレビューや組織のこと、会社のことについての時間をどうマネジメントしていくかが最近は悩ましいかなぁ。

それから、忘れ物が多いことかな。

古賀(デザインマネージャー):
(笑)

吉原(新卒入社2年目):
エアタグが……(笑)

櫻井(副社長兼CDO):
そう! いろんなものにエアタグつけてる! そのカメラにだってつけてる。努力はしてるんだよ、忘れても大丈夫な努力を……。

あとは、……メンバーの成長を僕の側では実感しにくいのが悩みというか、難しいところだなとは思っています。

もちろん、メンバーが成長していないって意味では全然ないです。そうじゃなくて、みんなのことは常に、連続的に見ているから、僕の側で変化を実感しにくいんですよ。

みんな毎日すごく成長してくれているけど、さすがに1日2日とかじゃそれは見えなくて、気づくのは年単位になることもあります。

で、そうなると、自分がその成長にどれだけ寄与できたのか、力になれたのかが、具体的にわかりにくいんです。それがね〜。
本当に力になれてるのかなと、ちょっと不安になることがあります。

古賀(デザインマネージャー):
いやー、めちゃくちゃ共感します。自分のレビューがどれだけその人のためになったかって、なかなか本当のところはわからないですよね……。うーん……。

逆に、メンバーの成長を実感できて嬉しかったタイミングってどんなときですか?

櫻井(副社長兼CDO):
それはもちろん、メンバーがクライアントから褒められたときですね。「おかげで良いものが出来上がりました」とか「次もお願いします」とか。
クライアントだけじゃなく、社内で他の職種から褒められていたりするのもグッとくるタイミングですね。

自分も成長していかなきゃって思いはありますが、嬉しいのはやっぱりそういうメンバーの成長です。
僕は昔からなぜか「副」なんとかになることが多く、他の人が「やりたい!」と思ってることに対してパワーが出るタイプ。自分のこととなるとあまり力が出ないんだけど……。
自分だけの部屋だと思うと掃除しないけど、この人のためと思うとしっかりする、みたいな。

古賀(デザインマネージャー):
櫻井さんの力の根源はそこにあるんですね。

櫻井(副社長兼CDO):
そうだね、頼られたら強いという自負はあるかな。だからこそ、頼られる自分になろうといろいろ頑張れているんだと思う。

フラーの価値観には「頼られる存在になろう」というのがあるので、自分を頼ってくれた人が力をつけて他の人に頼られているのを見ると、それもすごく嬉しい。

古賀(デザインマネージャー):
あー、そうやってみんなに伝播していく、みたいな。

吉原(新卒入社2年目):
いい話!

櫻井(副社長兼CDO):
よしできた、いい話できましたよ!

デザイナーの出発点と特技の身につけ方

吉原(新卒入社2年目):
CDOではなく、「デザイナーの櫻井さん」の出発点はどこですか?

櫻井(副社長兼CDO):
元々ものづくりが好きで、だから高専に入ったんです。ただ、パソコンの前にずっといてカタカタするのは性に合わない。人と触れ合っていたかった。
なので、ものづくりにおいて「人に近いところあるもの、人と向き合うもの」って観点で、やりたいことを探していて。

そうしたら友達がデザインの分野のことを教えてくれたんです。面白そうで、たしかに人に近いものづくりができるかもと感じました。ただ、そのときはそれを自分でやろうとは思わなかった。センスの世界なんだろうなあって。自分にはできないと。

古賀(デザインマネージャー):
あー、わかる……。

櫻井(副社長兼CDO):
でもいざ進学を考えたとき、やっぱりおもしろそうだなって思っちゃって。より人に向き合ったものづくりができそうだから。

あまり前例も準備期間もなく、だからこそ「これで受かったら自分にはセンスがある、ということにしよう」と思ったんです。それで受かって、実際に授業を受けていく中で、「これだ! やっぱり自分はこれをやりたかったんだ」と確信しました。

それが僕の、デザインの道の始まりですね。

古賀(デザインマネージャー):
わたしも全然デザインが関係ないところからデザイナーになったタイプです。だから、フラーに入社する前に櫻井さんの出ている記事を見て共感するところがあったんだなと思います。

櫻井(副社長兼CDO):
それは嬉しいな〜。
デザインやりたい! っていうより、「あ、これってデザインの分野だったんだ」って後から気づく感じだよね。

古賀(デザインマネージャー):
そうですそうです。

吉原(新卒入社2年目):
僕の周りだと、「ものづくりがしたい」から「デザインっていう分野が面白そう」「デザインって人のことを考えるものなんだな」という順番で、『デザイン=人と向き合うこと』へ辿り着くケースが多いです。
逆に「人」という観点からデザインの方へ入る人って初めて見たかもしれません。

古賀(デザインマネージャー):
櫻井さんの強みのひとつに言語化力があると私は感じているんですが、それはどこからきたんですか?

櫻井(副社長兼CDO):
僕は頭が良いわけじゃなくて、愚直に真面目に勉強してついていくタイプ。周りを見回して「みんなもう理解できたんだ……」と焦る方の人間です。
だから、言葉でうまく噛み砕かないと自分自身が理解できないんですよ。その必要に駆られて自然と磨いていったんだと思っています。

なので、特に学びはじめの人たちに向けた説明とかは得意な自覚があります。僕がめちゃくちゃ頭良くて、すぐになんでも理解できるようだったら、説明は下手だったと思うな。

古賀(デザインマネージャー):
櫻井さんって難しい言葉をまったく使わない。私もそうだけど、別の分野からきた人にとってUI/UXって謎めいた言葉ばかりなんですよね。

でも櫻井さんの話は理解できる言葉ばっかりだったから驚いた記憶があったのですが、その背景がわかりました。

吉原(新卒入社2年目):
自分の納得のために噛み砕いた形での言語化をきちんとしてきた人だから、他の人のための言語化もうまい、っていうことですよね。なるほど。

メンバーから言われて嬉しいこと

古賀(デザインマネージャー):
最後に、メンバーから言われてグッときたことはありますか?

櫻井(副社長兼CDO):
特定の一言というわけじゃないんですが、自分の作ったもの、やったことについて、良いものでも悪いものでもとにかく何かのフィードバックをもらえると、それがすごく嬉しいです!

「親しみやすくフラットに」を意識して過ごしていて、話しかけたり相談したりはみんなから気軽にしてもらっている自信はあります。
ただ、僕が作ったもの、やったことについてのフィードバックとなるとなかなか……。現実的にこれだけ会社が大きくなって自分の立場も立場だと、昔のように気軽なフィードバックってもらいにくくなっちゃうんですよ。

だから、たとえば「さっきのプレゼン、こういうところがこうだった」とかちょっと言ってもらえるだけでも、僕としてはとても助かります。

吉原(新卒入社2年目):
いつもレビューする側の立場になっているからこそ、人からのレビューが嬉しいんですね。

櫻井(副社長兼CDO):
そうなんだよねえ。

古賀(デザインマネージャー):
それこそ吉原くんみたいな新卒からフラーに入ってくれた人にしか持てない観点もありますもんね。

櫻井(副社長兼CDO):
そうそう。だから気軽に突っ込んできてくれたら助かります!

今日とかも、なんかちょっと吉原くん大人しかったな〜。いつももっと喋ってるのに!

古賀(デザインマネージャー):
たしかに(笑)

吉原(新卒入社2年目):
ちょっと話をじっくり聞くモードになってしまいました(笑)

お知らせ

櫻井さん、古賀さん、吉原さん、ありがとうございました!

フラーのデザイン組織『フラーデザイン』についてのデジタルノートはまだまだありますので、ぜひ合わせてご覧ください。

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