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5年以上に渡り熱狂を生み出すTikTokが大切にしていること。App Ape Award 2022 大賞アプリインタビュー

フラーが手がけるアプリ分析サービス「App Ape(アップ・エイプ)」のデータをもとにユーザーに愛されたアプリを選ぶ「App Ape Award 2022」で、ショートムービープラットフォーム「TikTok」が大賞に選定されました。

TikTokが辿ってきたプラットフォームとしての成長の軌跡や2022年に注力した施策や取り組み、5年以上に渡り熱狂を生み出す秘密や運営で大切にしていることなどについて、フラー執行役員の林 浩之がTikTok Japan執行役員 運営本部長の佐藤 友浩氏に聞きました。
(敬称略、記事・石徹白未亜、編集・日影耕造、写真・島)

TikTok Japan
執行役員 運営本部長
佐藤 友浩(さとう・ともひろ)氏
Google/YouTube, 17LIVEなどを経てTikTokに参画。
TikTokの日本における運営全般を統括

フラー株式会社
執行役員デジタルパートナーグループ長
林 浩之(はやし・ひろゆき)

1991年生。愛知県出身。同志社大学在学中にITベンチャーを創業。同社を6年間経営し、BtoCプロダクトを複数展開。事業立ち上げから拡大までの全行程を担当し、事業を売却。その後株式会社ドワンゴに入社、月額制コミュニティサービスの運営に携わりアプリチームの統括リーダーとして2年在籍。2018年8月フラーに参画し開発する全アプリの戦略を担当、組織拡大にも貢献。2020年7月には執行役員カスタマーサクセスグループ長に就任し、現在は執行役員デジタルパートナーグループ長。ユメは世の中の「あたりまえ」を少しでも変革すること。

TikTokのApp Ape Award大賞選定理由について

App Ape Award 2022の大賞は、世の中に幅広く浸透し、人とアプリの新たな関係性を最も体現したアプリをアプリ分析サービス「App Ape(アップ・エイプ)」のデータをもとに選定するものです。

今回のApp Ape Awardの大賞選定にあたっては、2022年11月時点で一定規模以上のMAUと増加率を記録したアプリを候補として抽出した上で、MAUの純増数、ヘビーユーザーの純増数、ストアレビューの評価をアプリ間で比較。TikTokはMAUとヘビーユーザーの純増数がともに最も大きい結果となったことから、大賞に選定しました。

TikTokクリエイターへの支援に注力した2022年

林:App Ape Award 2022大賞受賞の所感についてお聞かせください。

佐藤:大変光栄です。TikTokは、2018年もApp of the year(大賞相当)をいただいており、「2回もらえるんだな」と少し驚いています(笑)。

林:2022年はTikTokの運営にとってどんな一年でしたか?

佐藤:TikTokクリエイターへの支援に注力した一年でした。まず、TikTokクリエイターの発掘、支援を目的にした日本独自のプログラム「TikTok creator academy(TTca)」を継続的に開催しており、去年の年末からはスポーツクリエイターの育成に特化したプログラムの開催や視聴者の学びになるような教育系コンテンツを投稿しているクリエイターに特化したプログラムのようにジャンル特化型TTcaも実施しています。

TTcaを受講したTikTokクリエイターの中からは、TikTokのフォロワー数が50万人、100万人を超えるクリエイターもすでに生まれています。

TikTokそのものをクリエイターのコミュニティとして捉え、コミュニティ・ビルディングも強化してきました。その一つがフェス型のリアルイベント「TikTok Creative Festival(以下TTCF)」です。東京・渋谷のMIYASHITA PARKを皮切りに、福岡、大阪、札幌、名古屋と全国5都市で開催し、大盛況でした。

このように、TTcaを通したTikTokクリエイター同士の横のつながりの創出から、クリエイターとファンの方のつながりの強化まで、TikTokクリエイターへの支援をキーワードに多岐にわたる取り組みに精力的に取り組んだ一年でした。

林:あらためて、いまのTikTokを一言で表すとどんなサービスと定義するのがいいでしょうか。

佐藤:「クリエイターのためのプラットフォームであり、クリエイターの動画を見る全ての人を楽しませるエンターテインメントを提供するプラットフォーム」ですね。

TikTokは「創造性を刺激し、喜びをもたらす」ことをミッションに掲げています。多くのクリエイターをインスパイアできるようなオンライン・オフラインのシステム、ツール、プログラムを拡充していき、そこから生まれるコンテンツを元にたくさんの人に楽しんでもらうことをさらに継続、強化していこうと取り組んでいます。

林:2018年にも大賞を受賞されましたが、この5年でTikTokに起きた顕著な変化は何でしょうか?

佐藤:2018年当時、世の中のTikTokを見る目はリップシンクであったりダンスであったりと、すごく若者向けのプラットフォームというところはあったのかなと。そういったコンテンツやカテゴリーも引き続きとても人気ではあります。

一方、この5年でTikTokは特定の年齢層やカテゴリーだけのものではなくなり、ユーザー層、そしてコンテンツは圧倒的に拡充・多様化しました。

全てのクリエイター・視聴者のためのプラットフォームだと思っていただけるよう運営する立場としても注力してきましたし、多くのクリエイターに動画を投稿していただいた結果として、視聴者がさまざまなジャンルやカテゴリーの動画をTikTokで楽しむことができるようになりました。

コンテンツの拡充・多様化に向けた多面的な施策

林:TikTokではコンテンツ拡充・多様化のためにどのような取り組みをしてきましたか?

佐藤: 何か一つの大きな施策を打ったというのではなくて、まさに多面的に展開してきた結果というのが実際のところです。

例えば「ハッシュタグチャレンジ」。元々TikTokは一つのハッシュタグをベースにしたミームからコンテンツや関連ジャンルが拡大するという動きが顕著でした。そこで、運営主導で様々なハッシュタグチャレンジを積極的に立ち上げていくことで、コンテンツの拡充ととともに多様なジャンルの動画を楽しむことができる土台を作りました。

冒頭でもお話ししたTikTokクリエイターへの支援もコンテンツの拡充・多様化には欠かせない要素として精力的に取り組みました。

さらに、コンテンツ拡充だけでなく、コンテンツをユーザーに届けるという点では、TikTok最大の特徴の一つであるレコメンドシステムによる「おすすめ」フィードという強みも相まったと思います。この「おすすめ」フィードは視聴するユーザーの興味・関心に基づいてコンテンツを届けていく仕組みです。クリエイターが増え、動画のバリエーションも広がり、結果として多様なユーザーに楽しんでもらえるアプリに成長しました。

全てに通底するのは、視聴者・クリエイターが安心・安全に楽しんでいただけるプラットフォームとしてのTikTokを提供することです。これは最も大事にしているところですね。

TikTokが人々の生活の一部に

林:さまざまな取り組みがつながり、TikTokは大躍進を遂げましたね。

佐藤:ニュースや情報番組で「TikTok売れ」など、日常生活にとってかけがえのない一部としてのTikTokといった文脈で取り上げていただいているケースがこの5年で非常に増えました。企業の売上やブランディングにインパクトを与えるとともに、多くの人にTikTokというプラットフォームが使われているのだと実感しています。

音楽シーンでもTikTokは存在感を高めています。代表例として、瑛人さんの『香水』がTikTokで大きな反響を呼び、2020年のNHK紅白歌合戦にも出場しました。

TikTokは音楽の“リバイバルヒット”の火付け役にもなっています。2022年には広瀬香美さんの『ロマンスの神様』(1993年リリース)にクリエイターの「タイガの振り付け」さんが振り付けをした動画がTikTokで大ヒットしました。『ロマンスの神様』は「TikTok 2022上半期トレンド」の大賞を受賞しましたし、同様にPUFFYさんの『愛のしるし』(1998年リリース)は「TikTok流行語大賞2022」特別賞を受賞しました。


最新のヒットチャートだけではない、音楽の魅力や価値を発見するきっかけにTikTokがなっていることからは、オンラインのエンターテインメントとしてのTikTokが根付き始めていることを実感しますし、そこからオンラインだけに留まらず、世の中のリアルなトレンドへとなっていくということも感じています。

有用性のあるコンテンツ、例えばレストランのレビューや商品の情報、各種ビジネスツールの使い方、DIYなどハウツー系のコンテンツも拡充してきています。さらにニュースパートナーさんからは最新のニュースを公開いただき、地震速報も即座にTikTok LIVEでライブ配信しています。ウェザーニュースさんとタッグを組み、気象情報や緊急災害情報を24時間365日TikTok LIVEで生配信する取り組みも行っています。

このように幅広い有益なコンテンツが集まることで、最終的には社会のインフラ的な役割をTikTokが担っていくと個人的に思っています。

老若男女、幅広い年齢層に広がったユーザー層

林:TikTokはなぜ、5年以上に渡り人々を熱狂させているのでしょうか?

佐藤:コンテンツの拡充・多様化を進めてきた結果として、老若男女、幅広い年齢層のユーザーの皆さんにTikTokを楽しんでいただいています。博報堂調査によると、2021年時点でTikTokのユーザー平均年齢は34歳で、この数字は2019年以降、毎年上昇しているという結果が出ています。コンテンツが拡充しバリエーション豊かになった結果、より幅広いユーザー層に受け入れられていると思います。

TikTokを視聴するだけでなく、クリエイターがTikTokでコンテンツを作るハードルを下げるべく、機能の追加や改修に絶え間なく取り組んできたことも大きく寄与していると思います。

例えば、自分の声で動画をあげることにハードルを感じるというクリエイターのために、「テキスト読み上げ機能」を追加しました。「テキスト読み上げ機能」を使って、ヒカキンさんやチョコレートプラネットのお二人の声など、さまざまな著名人の方の声で文字を読み上げてくれる機能も好評です。

動画のエフェクトも日常的に拡充させています。アイデアがゼロの状態から動画を作って公開するのはハードルが高いですが、エフェクトを使えば動画にエフェクトを付けるだけで気軽に公開できるようになり、コンテンツの拡充や多様化につながるからです。

エフェクトに関連するトピックとしては、TikTokユーザーが誰でも気軽にエフェクトを作成できる「Effect House」をベータ版でローンチしています。

TikTokには動画を作らず、エフェクト制作 に特化したクリエイターもいます。TikTok Awards Japan 2022でもエフェクト部門を設け、Effect Houseを使用して活躍したエフェクトクリエイターを表彰しました。

既存メディアとTikTokは“奪い合わない”

林:TikTokは既存メディアであるテレビの領域とも上手にお付き合いされてますね。

佐藤:そうですね。例えば、去年はサッカーの国際大会がカタールで開催されましたが、JFA(公益財団法人日本サッカー協会)の公式TikTokアカウントはこの間に多くの新規フォロワーを獲得していました。

テレビやABEMAさんのように試合を生中継するのではなくて、JFAのTikTokアカウントでは選手の控え室での様子のショート動画を流したりしていました。こちらの反響がとても大きかったんです。

サッカーという一つのコンテンツに対し、テレビにはテレビの、OTT(インターネット回線を通じて動画コンテンツを配信するサービス)にはOTTの、TikTokにはTikTokのならではの魅せ方があるのだなと強く感じました。

テレビでもニュースやバラエティなどさまざまな番組でTikTokをご活用いただいております。

一つのコンテンツをメディア間で奪い合うのではなくて、それぞれのメディアに最適な形で発信することでシナジーが生まれると思います。

企業の活用においても、一つのコンテンツをそれぞれのメディアに最適化したコンテンツやフォーマットで展開していくことが増えていますし、そのようなコンテンツの生かし方がこれからとても大事になってくると思います。

TikTokでバズるには?

林:配信者として、TikTokを今から始めても遅くはないのでしょうか?

佐藤:まったく遅くないです。他のプラットフォームですとすでにフォロワーがついているアカウントや特定のジャンルのコンテンツが強いので、TikTokも同様にもう遅いのかと思われがちなところはあるかもれません。

しかし、TikTokの場合、独自のレコメンドシステムによって、基本的にはどんな投稿もある一定数の「おすすめ」フィードに流れる仕組みとなっているため、コンテンツを投稿したその日に一気に世界中に拡散するチャンスもありますし、実際そういったことが毎日起きています。遅すぎるということは全くないと思います。

林:TikTokで成功するための秘訣があればぜひ教えてください。

佐藤:ユーザーの皆さんにとって、楽しんでもらえるコンテンツをコツコツ作っていくことが一番重要です。

ちょっとしたテクニック的なもので動画を伸ばそうといった思考に陥ることがあるとは思うのですが、TikTokは短期的なテクニックではなく、日々継続的にコンテンツを投稿・配信していくところが成功のキモです。

やり方がわからなかったり、ちょっと不安だというところがあれば、TikTok公式のクリエイターポータルTikTok公式noteで様々な情報を発信しています。そこからさまざまな発見があるのではないかと思います。

マインドは“いつだってまだスタートアップ”

林:TikTokというショートムービープラットフォームに関わる中で、佐藤さんは動画コンテンツにどんな可能性を感じていますか?

佐藤:動画コンテンツは単純に「見て面白い」ということ以上の価値があります。動画を軸に人と人との結びつきやコミュニティが生まれ、そこからさらに新しいスターやカルチャーが生み出されていく源泉になっていくと思います。

林:今後の予定や展望などご教示ください。

佐藤:我々は“いつだってまだスタートアップ”というマインドを強く持っています。スタートアップは特定の市場を奪い合うというのではなく、「市場ごと作り出す」存在です。これからもTikTokは新しいエンタメの市場ごと作っていきたいと思います。まだまだ進化の途中だと考えているので、今後もご期待ください。

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他の受賞アプリインタビューはこちらから:

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▼App Apeについての詳細はこちらから:

▼フラーのデジタルパートナー事業についてはこちらから:


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