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すべては遊んでくれるユーザーのために。「ONE PIECE バウンティラッシュ 」が熱狂的なファンを増やし続けるためにやってきたこと。App Ape Award 2022 Z世代ゲーム賞アプリインタビュー


フラーが手がけるアプリ分析サービス「App Ape(アップ・エイプ)」のデータをもとにユーザーに愛されたアプリを選ぶ「App Ape Award 2022」で、アクションゲームアプリ「ONE PIECE バウンティラッシュ」が「Z世代ゲーム賞」に選定されました。

「ONE PIECE バウンティラッシュ」が辿ってきた成長の軌跡や2022年に注力した取り組み、アプリ運営で大切にしていることなどについて、タイトルを統括するチーフプロデューサーの「たなP」氏に聞きました。
(敬称略、記事・石徹白未亜、編集・日影耕造、写真・島)

ONE PIECE バウンティラッシュ
チーフプロデューサー たなP
バンダイナムコエンターテインメント入社当初から多くのキャラクターアプリゲームに関わり、2020年4月から『バウンティラッシュ』のプロデューサーを担当。2021年4月からチーフプロデューサーに就任。

ONE PIECE バウンティラッシュのZ世代ゲーム賞選定理由について

Z世代ゲーム賞は10〜20代をZ世代と定義し、デジタルネーティブの10〜20代のユーザーからの支持を集めたゲームアプリを選定するものです。

アプリ分析サービス「App Ape(アップ・エイプ)」で2022年11月時点で一定規模以上のMAUと増加率を記録したゲームアプリを候補として抽出。MAU規模や伸び率、Z世代比率、ストアのレビューなどを比較しました。

「ONE PIECE バウンティラッシュ」は対象アプリの中でZ世代の増加数・増加率ともに最高でした。直近のストアの評価も平均4.7(App Store)と良好で、Z世代を中心に爆発的な支持を集めたことからZ世代ゲーム賞に選定しました。

バウンティラッシュを通じ、新たなONE PIECEファンを獲得  

 ――Z世代ゲーム賞の感想をお聞かせください。 
 
たなP:素敵な賞に選定いただきましてありがとうございます。若い年代のユーザーにバウンティラッシュが受け入れられ、遊んでいただいてより多くの方々に広がっているのは非常に嬉しいですね。自社で実施するアプリ内のアンケートなどからも、若い年代の方からの応援やご支持をいただいているのを日々感じています。  
 
そして何よりも、ONE PIECEという素晴らしい作品を世の中に広めることに貢献できていることが嬉しいです。

僕自身はアニメからONE PIECEを楽しんでいた年代でもあるのですが、バウンティラッシュを通じて、さらに新たなONE PIECEのファン層の広がりにつながっていることが本当に嬉しいです。  
 
――バウンティラッシュのどういった点が、Z世代を中心とする若い方に受け入れられていると思いますか? 
 
たなP:まず、ONE PIECEのキャラクターによる対戦ゲームがスマートフォンという身近なデバイスでできること、そしてFree to play(スマホのソーシャルゲームで一般的な、サービスを利用する前の支払いが不要なゲーム)であることが大きいのかなと思います。

さらに何と言っても、2022年に公開されたONE PIECEの映画『ONE PIECE FILM RED(以下FILM RED)』の大ヒットは、バウンティラッシュが急成長するとても大きなきっかけとなりました。

映画公開直後からユーザーの数が爆発的に増加したのはもちろんのこと、バウンティラッシュ公式Twitter(日本語)のフォロワー数も公開前の約4倍となる80万人を突破しました。

     

開発の顔が見える運営で『FILM RED』とともに大躍進

――『FILM RED』は公開が2022年の8月と年の後半ながらも、2022年の映画興行収入ランキングで1位となりました。App Apeでもアプリのセールスランキングや利用者数の動向を定期的に集計していますが、『FILM RED』公開以降、バウンティラッシュはアクションゲームジャンルの上位に常にランクインし続けています。

一方で、バウンティラッシュは運営4年目にして大きくブレイクしたとても珍しいパターンのゲームアプリだと思います。

長期運営を実現している他のゲームの動向を見ると、ローンチ直後に大量のユーザーを獲得し、その後徐々にユーザー数を減らしながらも、毎日のようにゲームをプレイするロイヤルユーザーを集め、運営基盤が盤石になっていくパターンが多いからです。その辺りはいかがでしょうか。

たなP:バウンティラッシュは初期にユーザーが一気に増えたのではなく、毎年着実に増えていくという形でした。その初期から遊んでくださっているユーザーがずっと応援してくださったからこそ、この『FILM RED』を契機に人気が爆発した形です。そういう意味で、ユーザーに支えられて成長した、ファンにめぐまれたゲームだなと思います。

――バウンティラッシュのゲーム運営面ではどのようなことを大切にしていますか? 
 
たなP:「ユーザーに楽しんでもらう」ことを日常的に意識しています。まずはユーザーに楽しんでいただきたいっていう思いがやっぱり大きいです。 
  
そのために注力していることは、期待されているアップデートをきっちりやることです。さまざまな形でユーザーの声に耳を傾けながら取り組むことで、皆様の信頼や満足につながっていくと思いながら取り組んでいます。 
 
「顔の見える運営」も大切にしています。チーフプロデューサーである私も「たなP」として、YouTubeで生放送を定期的に配信しています。2022年の大晦日前には年末特別生放送を実施しましたし、バウンティラッシュ4周年の時はユーザーと運営チームで対戦企画も行い、多くの方にご参加いただきました。 

「こういうアップデートをしていきます」「虹のダイヤをプレゼントします」とユーザーに私たちの顔が見える形で思いとともに伝えることで、ユーザーもポジティブな熱量が高まり、ゲームのコミュニティが活性化します。 
 
――「たなP」でTwitterを検索すると、「神アプデ!」であったり、良いガシャが出たときに結果画面とともに「たなPありがとう!」とつぶやかれていたりなど、ユーザーがたなPさんの存在を単に認知しているだけでなく、親しみも込めている、まさに「顔の見える運営」ですね。一方で顔の見える運営は、それだけ厳しい意見を受ける可能性も出て来るわけですが、ユーザーとのコミュニケーションで心がけていることは何でしょうか? 

たなP:実は、厳しい意見よりもずっと怖いのは「ユーザーから見て誰が運営しているのかわからない」という状況が続き「ユーザーが誰を信用していいのかわからない」といった状態につながっていくことです。

コミュニケーションにおいては、バウンティラッシュについて重要な事柄を私の口からきちんと話すこと、そしてユーザーの意見をしっかり聞いている、という姿勢を示すことを大切にしています。ユーザーへの感謝の気持ちも、運営が顔を出し伝えることで、一層伝わると思っています。
 
例えば新規のユーザーがたくさん増えて、タイミング的に手に入らない強いキャラクターがいた場合、「あのキャラが今も手に入れられれば……」みたいな声が高まってくると思います。

そういった声を運営として逃さずに捉え、しかるべきタイミングでそのキャラクターを登場させるなど、ユーザーの声に寄り添った運営をコツコツ積み上げていくことが大切です。

――そういった積み重ねがユーザーの「神アプデ!」という声につながるのでしょうね。

たなP:ユーザーに「神アプデ!」と言っていただけると、私たちが考えていたものが、ちゃんとユーザーに刺さったのだなと分かって嬉しいですね。
 
これは余談ですが、ゲームアイテムや虹のダイヤをプレゼントするタイミングもユーザーの動向をしっかり見ています。今回Z世代ゲーム賞をいただきましたが、ユーザーの年齢層が若いということもありますし、少しでもユーザーに還元していきたいですね。

「本当にユーザーのためにやれているか?」という意識を持ち続ける

――愛されるゲームになるために重要なことは何でしょうか?  
 
たなP:ソーシャルゲームのような運営型のコンテンツは、地道なことをコツコツ続けていくことが大切ですが、その地道な日々において「本当にユーザーのためにやれているか?」という意識を持ちつづけられるかがとても重要だと思います。

というのも、ソーシャルゲームの運営において運営側がやりたいことをやってしまっているのではないかと思うことが時々あります。

しかし、やはりそれでは立ち行かなくなります。「それってユーザーにとっては本当に楽しいの?」という視点に立ち、ユーザーにどう楽しんでもらうか、そして我々はどのような遊びを提供できるかを考え抜くことが愛されるゲームとなるために大事なポイントだと思います。 
   
例えばバウンティラッシュは対戦型のゲームですが、ステージの追加や4対4の対戦をベースとしながらも2対2や、1対1の対戦もできるように機能を追加するなど、ユーザーに楽しんでいただけるようなバリエーションをつけることは心がけています。 
  
目玉となる強いキャラクターを出したあとのゲーム全体のパワーバランスも、非常に悩ましいところです。
 
「どのキャラクターでも育成やバトルの工夫次第で活躍できる」というバランス感は本当に難しいです。入手するキャラありき、強いキャラが一人いればいい、になってしまうと、いわゆる「課金ゲーム」になってしまってユーザーが離れていってしまいます。

キャラクターバランスは非常に難しくていつも試行錯誤していますが、そこでもやはりユーザーがONE PIECEのキャラクターを使って楽しくプレイできるかというところを強く意識しています。

また期間限定ですが、ONE PIECEの楽曲をバウンティラッシュ内に実装するといったゲームに触れることで得られるちょっとした高揚感も大切にしています。

  キーワードは「身近」。Z世代のハートをつかむには? 

 ――バウンティラッシュはゲーム性自体が若い方に受けられる要素が強いと思いますが、それ以外でZ世代の方に受け入れられるために注力されていることはありますか?  
  
たなP:とても意識しているのは、プロモーションを含めた「バウンティラッシュの魅力の伝え方」です。今はもう「TVCMだけを打てばいい」という時代ではありません。仮に、もしTVCMを作るとしたら、バウンティラッシュをこれから始めてほしい人たちにとって、どういうクリエイティブだったら喜んでもらえるか、そしてそこから話題やストーリーを作っていけるかどうかがすごく大事だと思っています。そういう意味で枠にはまらない新しいプローション施策はいつも意識していますね。  
 
プロモーションのために今のトレンドを捉えることもすごく意識しています。「今この世代にはこういうものが流行っているから、こういう施策をやった方がいい」「バウンティラッシュなら、こういうやり方をしたら楽しそう」など業界のトレンドやユーザーの動向を常に意識しています。
  
――Z世代の人たちは双方向性の意識を上の世代よりも強く感じます。たなPとして配信されている生配信やSNSでそういったことは意識されていますか?  
 
たなP:そうですね。より「身近に」感じてもらえることが、ユーザーにとって大切だと思います。

現代においてVTuberやインフルエンサー、動画クリエイターなどの人気が高いのは、ユーザーにとって「身近に感じられるから」という要素が大きいかなと思います。そういう意味で、バウンティラッシュでも運営を身近に感じられるかというところは、大事なポイントだと思っていますし、強く意識しています。  

――バウンティラッシュの展望についてお聞かせください。

たなP:今、ONE PIECEという素晴らしい作品が非常に大きく盛り上がっています。バウンティラッシュも一緒になって作品を盛り上げて、作品のファンを世界中でどんどん増やしていきたいです。 

バウンティラッシュは対戦ゲームとしてユーザー同士をつなげる力も持っていると思います。ファンコミュニティも世界中で拡大して行きたいですし、そろそろリアルイベントなどの開催も検討していきたいです。引き続き応援よろしくお願いいたします!

©尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション
©Bandai Namco Entertainment Inc.

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