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いまこそ企業でインハウスエディターが重要な理由 フラーでデジタルとヒトの掛け橋を担う「言葉を紡ぎ出す力」とは

デジタルとモバイルに関するあらゆる面でクライアントを支援するフラーは、事業拡大を続ける中、積極的な情報発信に力を入れています。そして現在、広報からコンテンツマーケティングまで、あらゆる『文章づくり』に携わるインハウスエディターを募集中です。

そこで今回は、新聞記者から転身し、現在オウンドメディア「フラーのデジタルノート 」の編集長としてフラーの文字コンテンツ全般の責任者を務めるメンバーに、「現代企業における文字コンテンツの重要性」「記者と企業広報の共通点と違い」「フラーがエディターやライターに求めるもの」などについて、話を聞いてみました。

——簡単な自己紹介をお願いします

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(人事広報メンバーと行った合宿で。撮影時のみマスクを外した)

日影(フラーのデジタルノート編集長):

フラーで「フラーのデジタルノート」の編集長をしています、日影です。10年間新聞記者をやった後、フラーに入社しました。社歴は4年半ほどになります。

フラー入社からしばらくはずっと、App Ape(※1)に関するコンテンツマーケティングのためのオウンドメディア『App Ape Lab』で、編集長として編集とライティング、そしてメディアそのもののグロースを担当していました。

また、それと並行して、App Apeについての事業広報として、機能アップデートのお知らせや、顧客向けのコンテンツの作成も担当しました。

(※1:フラーが開発・運営するアプリ分析サービスApp Apeについて、詳しくはこちら

その後、2020年10月から全社的な広報がメインに。2021年の春からは、新たなオウンドメディア『フラーのデジタルノート』の立ち上げに関わり、その編集長にもなりました。

オウンドメディア以外では、フラーのデジタルパートナー事業において、文字コンテンツが必要となるクライアントワークも手がけている他、『日経MJ』さんなどの各種メディアへ、アプリの専門家として記事の寄稿も行っています。

このようにフラーではさまざまな業務を担当してきましたし、現在進行形で担当していますが、一貫しているのは、文字コンテンツ制作とそれを多くの人に届けることが自分の職能だということ。フラー入社前の記者時代から変わらずずっと、文字、文章に関わる仕事をしています。

——メディアを生業としないフラーのような一般企業が、「文字コンテンツを作る・発信すること」には、どのような意味や価値があると思いますか?

(フラー柏の葉本社オフィスのテラスで。屋外で撮影時のみマスクを外した)

日影(フラーのデジタルノート編集長):

前提として、今、企業の情報発信において文字コンテンツの存在は、ほぼ必須と言っていい状況にあります。

その大きな要因は、ネットの普及とコロナ禍です。

現代では「企業と企業」や「企業と顧客」がネットで繋がりを作ることはありふれていますし、たとえ展示会やリアルイベント、生と生の会話というオフラインのきっかけで繋がった場合であっても、その後自然とお互いに相手のことをネットで調べます。

つまりどちらにしても、検索してヒットした文字コンテンツを読んで、相手についての理解を深めるんです。

だからこのとき、文字コンテンツがヒットしなかった場合、その会社や個人は「存在しないこととほとんど同じ」にすらなってしまいます。これは2010年くらいからすでに始まっていた傾向ですが、とはいえ当時はまだ新聞社などのメディアでもwebページを持っていないところが多かったですし、Twitterも始まったばかりでした。

(仕事道具は記者時代から変わらずカメラとPCだ)

翻って今は、メディアに限らずどんな組織も、著名人でなくとも多くの個人も、自分に関するなんらかの文字コンテンツを持っているのが当たり前です。

そしてこの傾向は、リアルでの繋がりがコロナで薄くなったことで、さらに加速しています。

画像や動画などコンテンツの形はさまざまありますが、理解を深めるために最適なコンテンツは、やはり文章なんだと思います。

例えば何かの商品について買う前に検索したとき、ある程度しっかりとした説明文の書いてあるその商品の公式ページが、もしもネットのどこにも見つからなかったら、一気に不安になりますよね? 理解を深め、認知と信頼を高めるためには、文字コンテンツが必須なんです。

だから、メディアではない企業であっても、しっかり自社にまつわる文字コンテンツを作っていくこと、そしてそれを作るための体制を整えていくことは、とても重要になってきます。

——エディターやライターといった「文字コンテンツ」の作り手の、社会的な需要についてはいかがですか?

日影(フラーのデジタルノート編集長):
端的に言うと現状、特にインハウスエディターのような職能は社会全体で足りていないのかなと思います。なにかのスキルを持つ人の需要が一気に増えたときって、やっぱり大抵それを満たせる人材は足りなくなりますよね。

そんな状態がここ数年ずっと続いていて、もちろん人材も増えてはいるんでしょうが、それより需要のさらなる増加の方が大きいようなイメージです。

なお、ここで必要とされている人材とは、ただ書けるだけではなく、企画を考え、日本語としての正しさや読者にとってのわかりやすさを徹底でき、必要に応じて柔軟に改善でき、さらに、記事一つひとつではなく所属する組織全体のことを考えた判断ができるレベルのインハウスエディターです。すると、やっぱり少ないですよね。

さらに責任者クラスになってくると、自社メディアが持つべき特色やトンマナを把握し、それをしっかり守るスキルも必要です。今は正直、それがうまく機能していないメディアも散見されます。それくらい、人材不足は深刻です。

逆にいえば、そういう「単に文章が書けるだけではない、高いスキルを持つエディター/ライター」のニーズはすごく高まっています。

これは、かつてとは全く状況が違うなと感じますね。自分が新聞記者を始めた頃は、はっきりいって斜陽産業で、記者のスキルは潰しが効かなかった印象です。

しかし今、商業ベースでものを書いてきた人のスキルは、非常に頼られ求められています。これほどまでニーズが高まったことは、人類史上なかったんじゃないかな(笑)。

——フラーのインハウスエディターになるにあたって、デジタル関連の専門知識は必要ですか?

(ソーシャルディスタンスを保ってフラー会長の渋谷と社長の山﨑にインタビュー)

日影(フラーのデジタルノート編集長):
求めるのはあくまで、プロとしてものを書いてきた経験です。少なくとも入社時点では、デジタルに関する素養については一切問いません。

事実、僕自身、フラーに入る前は農業や建設業などことなる業界の記事を書いていた新聞記者であり、デジタル方面に明るいということはなかったですし。

むしろ、あまり知らないからこそ見えてくる視点もあるかなと。

フラーは現在、「ヒトに寄り添うデジタルを、みんなの手元に。」というミッションを掲げています。デジタル技術と人々の間にはまだまだ距離があり、例えば、地方創生の現場においては「DXしなければとわかってはいるけど、現場の人たちにデジタルへの正しい理解を届けきれていない」といった障壁があります。

こういうとき、ていねいな文字コンテンツを作ることによってその距離や障壁をなくしていくのが、僕たちの大きな仕事の一つなのですが、技術的なことをわかりやすく噛み砕く上においては、わからない側であることにも価値があります。

もちろん専門的な知識があるからこそ書けるものもたくさんありますが、時にはそれが邪魔になることもある。そういう意味で、デジタルのことはまだ詳しくないという人にも、フラーのことをぜひご検討いただきたいですね。

——商業媒体での経験以外に、必要なスキルや素養はありますか?

日影(フラーのデジタルノート編集長):
「新しいことに対する探究心」と「スタートアップ特有の変化の大きさに対応する力」は必要ですね。

加えて、新聞社などから転身される場合は、いわゆる“社会の木鐸”から企業の一員となる際の、頭の転換ができるかどうかも求められるかなと。『ジャーナリズム』それ自体にすごくこだわりがある方に関しては、そのまま新聞社にお勤めになった方が充実したお仕事ができるとは思います。

フラーでの具体的な業務としては、プレスリリースやインタビュー記事の編集・執筆、外部メディアへの寄稿や外部メディアからの取材対応などを、まずはメインとしてもらう予定です。

ですが、フラーの未来に資することなら、その他のどんなことも仕事の範疇にしていただいて構いません。

だから、これまでフラーの中になかった新しい知識・観点を持った人にこそ来てほしいですね。それによって起こる掛け算をすごく期待しています。

また、仲間が作ってくれたものの魅力を伝える僕たちの仕事は、当然、自分たちだけでは成り立ちません。仲間がものを作ってくれて初めて仕事ができます。なので、周囲への感謝を常に忘れない人であることも、僕は非常に重要だと思っています。

——新聞記者からIT企業のインハウスエディターになって、今、どのような思いや実感がありますか?

日影(フラーのデジタルノート編集長):
正直に言えば、フラー入社当初は「コンテンツマーケティングのためのウェブメディア立ち上げ」だけを想定しており、全社的に文字コンテンツにまつわるあらゆることに関わる、今のような立場になるとは思っていませんでした。

ですが今、間違いなく自分のプロフェッショナル領域を活かした、良い仕事ができている実感があります。

僕の仕事は、わかりやすい表向きの肩書きを言えば広報ですが、自分としては「文字コンテンツを綴ることで、会社に“法人”という人格を与えるための仕事」だと思っています。これは現代ならではの、これまでになかった新しい職能です。だからこそ特別なやりがいがあります。もちろん、文章についてのプロという点において、根底にあるものは記者時代から変わりませんが。

それから、自分が新聞記者だったから言うのですが、新聞社も他の企業も、社会に貢献するために活動しているという観点では全く変わりません。

フラーだったらデジタルでヒトに寄り添うことを、新聞社なら伝えることで読者に資することを考える。同じ社会貢献です。

——最後に、メディアからの転職をお考えの方々へ、メッセージをお願いします

日影(フラーのデジタルノート編集長):
まず、今のフラーへ新聞社等のメディアから転職することのデメリットをきちんとお話しすると、「取材して書くことだけに集中はできなくなる」点があります。

フラーはまだ内部に広報コンテンツの作り手が少なく、メディア各社のように仕事の細分化ができるような状態ではないので、個人個人が一人で完パケまで持っていく意識と力が必要です。たとえば僕の場合、記事を作る上で必要になる写真は自分で撮っていますし、その他の細かい調整も担当することが多いです。

フラーでは、記事を書くことそのもの以外の部分にも時間と労力を掛けており、また、引き続きしっかり掛けたいとも思っています。なので、当分このような状況は続くかなと。もちろん、将来的に人が増えれば解決に向かう問題ではあるのですが。

とはいえ、単純に書くだけではない包括的な経験を積むことも、書き手としては大切です。そういう意味では、ポジティブに捉えられる面でもあると思います。例えば、自分の書いた記事の反響をグーグルやSNSのアナリティクスで数値として目の当たりにして分析することは、フラーだからこそ得られた経験だと感じています。

一方、メリットももちろんたくさんあり、そのうちの大きなものが「DXの最前線でそれにまつわる知識を得られること」、そして「デジタル文字コンテンツ制作で、しっかりお金をもらう経験とスキルを得られること」です。

これにより僕自身、エディター/ライターとして、現在はフラー外での副業も持てています。そういう意味でも、時代に即した良いキャリアだと思います。

フラーには自分を含めて、人事広報メンバーに商業媒体でものを書いてきたプロ人材がきちんといるので、同じプロとして意識を揃えて一緒に良いお仕事ができる環境となっています。同時に、これからの時代に欠かすことのできないデジタルとヒトとをつなぐ営みを通じて、社会の役に立っている実感を感じながら充実した日々を送れると思います。

ぜひ、メディアでご活躍の皆様に、フラーでの新しいキャリアをご検討いただければ幸いです。

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(インタビュー:平山・松岡、構成:日影、写真撮影:KENTO Broadcasting inc.・竹内)

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