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「アプリの専門家として社会に報いる」〜マスメディアで情報発信するメンバーの想い〜

フラーは、モバイルアプリの実利用データを推計するアプリ分析サービス『App Ape』を手がけています。

テレビにおける視聴率情報のスマホ版のような位置付けで、どのアプリがいつ・どのような属性のユーザーに・どのくらい使われているかといった推計データを提供しています。

そんなApp Apeを運営するフラーには、アプリの専門家として、新聞やテレビなど、外部のメディアで積極的に情報発信を行うメンバーがいます。

実際にどのようなメディアでどのような情報発信をしているのか、彼らに話を聞いてみました。

━━フラーではどんなお仕事をされていますか?

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杉山:
執行役員CMOとして、ビジネスサイドの足りないところに入りつつ、プロモーション・マーケティングの全体戦略を考えています。また、フラースタジオで作ったアプリについても、プロモーションして育てていくソリューションでの支援を行っています。
以前はApp Apeの事業責任者も担当していました。

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日影:
人事広報グループで、オウンドメディア『App Ape Lab』の編集長をしています。
App Apeのデータを活用した分析記事コンテンツを、オウンドメディアに掲載したり外部へ寄稿したりして幅広く発信することでスマホデータへの関心とフラーの認知を高め、将来的なお客さまに興味を持っていただくのが自分の役割です。

━━フラーに入る前のキャリアはどのようなものですか?

杉山:
広告代理店の博報堂で、メディアサイドの営業とメディアプランニング職として4年半勤めていました。
中堅から一部上場の大手企業のお客さまを相手に、テレビCMやWeb広告、オウンドメディアなどの、メディア露出回りについての支援を営業サイドから行っていた形です。

フラーでもその経験を活かし、「お客さまのニーズをどうヒアリングしていくか」「ツールだけにとらわれない、様々なソリューションをどうご提案していくか」などの知見について、メンバーに共有していけたかなと思っています。

日影:
わたしは、2社で合計10年間、新聞記者として働いていました。どちらも専門紙で、1社目は建設業関係、2社目は農業関係です。
読者のニーズを汲んだ、まだ誰も知らない情報を自分の足で見つけてきてはいち早く記事にしたり、外からはわかりにくい業界や社会の状況を自分の目で見てわかりやすく解説を書いたりしていました。

新聞記者だった頃も今も、必要な人に必要な形とタイミングでコンテンツを届けることを、一貫して行っているつもりです。

━━お二人の手でフラーのデータが、どのようなメディアにどのような形で掲載されているか教えてください

日影:
直近では、エグゼクティブ向けのビジネス誌である『PRESIDENT』の記事の中で、App Apeのデータを使っていただきました。
テレビでは名古屋のCBCテレビさんからご依頼をいただきまして、天気・防災系アプリの現状に関するデータをご提供したほか、僕自身がインタビューでお話をさせていただきました。

定期的なものでは、『日経MJ』で、App Apeのデータを活用し、世の中で今起きているさまざまな事象をわかりやすく解説していくコラムを隔週で掲載させていただいています。

これは、僕と杉山で交代交代、執筆しています。

コラムをきっかけに、他の媒体の記者さんから問い合わせをいただくことが、特に最近多くなってきたと感じています。

一回記事が出ると、記事内のデータや関連のトピックについて少なくとも二、三件ほど、さまざまな媒体から問い合わせをいただくような形です。

杉山:
『日経MJ』さんの記事は、僕も日影も、お互いの記事を必ず読んでいます。内容が被ってしまってはまずいので。

僕の方では、『日経MJ』でのコラムのほかに、『Business Insider Japan』に記事を寄稿しています。数はそこまで多くなく、現在は不定期で年に二回くらいですね。
ありがたいことにたくさんの方々にご覧いただいており、多いものでは100万PVを超えてYahooトピックスに載った記事もあります。

最近出した記事はライブ配信アプリの情勢についてのレポート記事で、これも10万PVは超えており、業界の方は皆さんチェックしてくれたような記事になったかなと思います。

記事の内容は、基本的に僕の方から「こういったものを書きたいです」とご提案する形です。

ほかにApp Apeのデータをメディアさんにご活用いただいた例で言うと、AbemaTVで生配信された、サイバーエージェントさんの決算説明会の中で、資料としてお使いいただきました。

あの件はやはりインパクトが大きく、実際、その後何件かお問い合わせをいただきましたね。
AbemaTVさんの中では、『ABEMA Prime』でも何度かエビデンスとしてデータをご紹介いただいています。

日影:
日本テレビさんの『スッキリ』でもデータを使っていただきましたし、NHKさんの特番作成に全面協力したこともあります。新型コロナ感染症は人々の生活をどう変えたか、といった内容の番組です。

一ヶ月くらいかけて関連のデータを集め、「どういうことを軸に番組を組み立てていくか」という企画の部分から、一緒に作りました。

僕たちのデータをご紹介いただきつつ、そういった番組作りにご協力できたことは、とてもいい経験でしたね。特にその頃は緊急事態宣言下でフルリモートでしたので、あの環境下でそういったお仕事ができたというのは、大きな自信になりました。

━━記事を書くことを含め、データやそれに基づいた解説を世の中に発信する際、どんなことを心がけていますか?

杉山:
まず、嘘がないデータを基にして作るのは大前提です。
その上で、そのメディアで跳ねるかどうかを一番よくご存知なのは編集の方なので、そちらのご意見をしっかり聞いて記事を作ること。

それから、App Apeのデータを毎日見る中で、「このトレンドが来ているな」ということは常日頃から把握しておくようにしていますね。
どんなアプリが今"来ている“かについて、おそらくフラー社内でも自分が一番詳しいと思っています。

具体的な例をあげると、以前に、韓国製アプリについての記事を書きました。
市場を席巻するSNOWやネイバー社製アプリ、それから、流行りかけてきているK-POPのアーティストが集まるライブ配信アプリや整形の口コミアプリなど、韓国で先に盛り上がったものが日本にやってきて……という流れがあることが、データでわかっているからです。
なので、これからもまだまだ日本に来るだろうことをご紹介しました。

最近の流れで他に特徴的なことといえば、ライブ配信アプリの躍進でしょうか。
今まで、売り上げランキング上位といえば「ゲーム」「コミック」「マッチング」が定番だったのですが、そこへライブ配信アプリが入ってくるようになりました。
App Apeのデータからも、ライブ配信アプリが市場全体として上昇傾向にあることが窺えたのが確認でき、これは興味深く思ってくれる人がいるかなと思って、企画として編集部に持ち込みました。

━━App Apeのトレンドをチェックすること以外に、何か普段から気をつけていることはありますか?

杉山:
テレビも含め、ニュースというものを他の人よりもかなりチェックしている方だと思います。TwitterなどのSNSも常日頃から追っていますし。

また、データから「この業界伸びているんじゃないか」と思ったら、事業者とユーザー両方の話を聞きに行くことは徹底しています。
ライブ配信アプリでいえば、プラットフォームの方、配信者をやっている方、そして、いわゆる重課金をしているユーザーの方、この三者にお話を聞いた上で記事を書きました。

自分が記事を出すことで、アプリにまつわる分野がビジネスとしてさらに広がりを見せてくれたらいいなと思います。
また、自分自身も一定の知識を持つ人間として認知をしてもらえますし、そのポジションを築くことが、フラーのビジネスにも寄与するかなと。
自分としては、記事を書くということは、ビジネスに関係する活動のひとつであり、フラーの広報のひとつでもあるという認識です。

━━日影さんは、広報やコンテンツマーケティングの活動をする中で、どんなことに気をつけていますか?

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日影:
記者時代から全く変わらないのは、求められている必要な情報を、必要なタイミングと最適な状態で、必要な方へ届ける——これを、いつも意識することですね。

僕は現在、数十名の記者さんと繋がりがあり、日々お互いにコンタクトを取っています。
当たり前なのですが、記者の方々はそれぞれ媒体や担当分野も違えば、ご本人たちの個性もバラバラです。

そのため、記者の方々がどのタイミングでどの情報を欲しがるかも、やはりバラバラです。

杉山の話と通ずるのですが、普段から一人の生活者、あるいは一人のビジネスパーソンとして過ごす中で、いろいろなニュースを注意深くチェックし続け、「これは重要そうだな」「これは僕らのデータで新しい側面を見出せそうだな」と思うものを見つけるようにしています。

そして、実際にデータと照らし合わせて出てきたものを、そのジャンルを担当分野としている方にご提供する。これは、記者時代は逆に僕がやってもらっていたことでもあります。
「相手のニーズを把握する」ことを自分はとても重要視しており、それは、記者時代からずっと一貫していることです。

これは広報だけに限らず、コンテンツマーケティングでも同じだと思っています。

僕たちが本当に訴求したい人たちはどういう人たちなんだろうか、僕らのプロダクトに興味を持ってくる人たちはどういう人なんだろうか……その仮説を常に持ちながらコンテンツを作っていって、PVやコンバージョンなどデータを確認し、さらに次に繋げる。
このサイクルは、広報でもコンテンツマーケティングでも、そして記者の仕事でも同じです。

━━記事を書く際には、どんなことに気をつけていますか?

日影:
『日経MJ』の記事の話で言えば、『日経MJ』というメディアに載せることの意味をきちんと意識するようにしています。

『日経MJ』には、マーケティングやビジネスに何か役立つヒントが欲しいというニーズをお持ちの読者さんのほか、新聞業界の方たちもたくさんいらっしゃいます。ネタ探しのために読んでいらっしゃる記者の方々です。

なので、記者だった頃の自分なら今、こんなデータが欲しいな、と思うものをお出しするようにはしています。

ただ、記者の方々に取材してもらうことを目的にして記事を書いたことは、一度もありません。

僕たちの作った記事やコンテンツの先にいらっしゃる、それを必要とされている読者の方々に適切な形で届くように書く。それを、ずっと意識しています。

データを生かして人の役に立つというのは、フラーの理念にも適うことかなと思います。

中でも、自分の書いたもので一番たくさんの方に読んでいただいた実感があるのは、シニア層とニュースアプリの現状について解説した記事ですね。SNSなどでの反響から、読者に記事が届き、社会の役に立っていることを実感しました

━━これから、どのような情報を、どのように世の中へ発信していきたいですか?

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杉山:
現状、アプリのマーケットはものすごくブラックボックスです。開かれているマーケットとは言い難く、App StoreとGooglePlay、この二大ストアのルールで世界中の何百万人の人が動いている。
だから、二大ストアがルールを変えると、それだけで10万人くらいの単位で仕事をなくす人が出てくるような状況です。
これって、すごく不安定だなと自分は思っています。

だからこそ、できる限りで、ブラックボックスでなくなるような情報を世の中に提供するということは、アプリに関わる人たち全体にとって、多少なりともいいことのはず。
そう信じているので、これからもそれを続けていきたいです。

日影:
社会との関わり合いの中で自分がどんな価値を提供できるのか——ひたすら考えて、社会に報いるものを適切なタイミングで出していく。これを繰り返して、会社にも社会にも貢献していきたいと思っています。

私企業としての広報活動で伝えたい、宣伝的なものはもちろんたくさんあります。しかしその言葉は、あまり人に響くものではないと僕は思っています。

一方で、そこで視点を変えて、社会の一員としての立場から語ろうとするなら、私企業としての活動でも、社会に価値を提供できることがあるはずです。
そういうところにこそ広報の役割はあるのだと思います。

そう考えると、自分自身の中では、広報とコンテンツマーケティングにはあまり境界線を引いていません。

必要な情報を適切なタイミングで出し続けることによって、それを読んで下さった方々の信頼や興味を高めていく。ビジネス的な成果は、あくまでその結果として付随するものです。

やることはただ、「無私の心で社会に報いる」ことなんだと思っています。ですので、それを続けていきたいですね。

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