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App Apeはヒトとデータをつなぐ"アクショナブルなインサイト”を提供する【後編】データが意思決定に役立つまで

フラーが手掛けるアプリ分析サービス「App Ape(アップ・エイプ)」は、前身の「Ape Ape Analytics」がサービスを開始してから現在に至るまで、8年以上成長し続けてきました。

フラーのデジタルパートナー事業の重要な位置を占める、データ分析基盤としてのApp Apeの役割はどのように変遷してきたのでしょうか。そして今、どんな価値を提供しているのでしょうか。App Apeの責任者2人に聞きました。

後編は具体的な意思決定にデータを生かすための流れや考え方について語ります。(記事・写真:日影耕造)

大野康明(チーフデータサイエンティスト)
プロフィール:国立東京工業高等専門学校卒業後、筑波大学へ編入学。大学院にて複数の企業とデータ分析の共同研究に従事。修士取得後設立1年のフラーに参画し、アプリ分析サービスApp Apeの立ち上げに関わる。App Apeのアルゴリズム開発やデータ分析に携わり、現在はApp Apeの開発統括とデータサイエンティストの採用・育成を行う。

三輪昇平(App Ape統括マネージャー)
スタートアップでセールス・マーケティング中心に、SaaSサービスのビジネス領域を幅広く経験。2019年12月にフラー株式会社へ入社し、モバイルデータの提供・分析を行うサービス「App Ape」のカスタマーサクセスを推進。現在は統括マネージャーとしてApp Apeのビジネスサイドを担当。

アクショナブルなインサイトを提供するApp Ape

ーーApp Apeのデータからアクショナブルなインサイトを見出すとは、どういうことなのですか?

三輪:まず、アクショナブルなインサイトとは、具体的な行動につながる洞察や発見のことです。App Apeでは、アプリのデータから得られる具体的な意思決定に資する発見や洞察のことを指します。

そもそも、App Apeで日々収集しているデータのようないわゆる「RAWデータ」はそのままでは使うことができません。RAWデータにはそのまま集計するのには適さない異常値などのノイズが生じているものだからです。

RAWデータから集計可能な状態に整えたデータ、例えばMAU、年代比、利用時間などの指標を比較軸として定量分析を行うことになります。

App Apeは、集計された指標をビジネスの意思決定の資する可能性が高い様々な比較軸を用いて、ウェブ上のダッシュボードで提供しています。

RAWデータから定量分析結果をまとめるまでのフローは、以下のような形となります。

定量分析はとても重要ですが、データの活用という意味では不十分です。

データや分析を業務に活用するためには、そこから解決したい課題や判断に資する示唆が得られるデータを選び、読み解き、場合によっては異なるデータ同士を比較したりすることが必要です。

このデータを根拠とした読み解きを経て得られた「インサイト」をもとに練り上げた、次の行動につながる示唆や洞察のことを、私たちは「アクショナブルなインサイト」としています。

アクショナブルなインサイトの先にあるのは、具体的な「意思決定」です。

そもそも分析は何のためにやるのかと言うと、まさにこの意思決定をするためなのです。

意思決定をするためには、やっぱり事象を読み解き分析することが必要です。その読み解きの強力な軸の一つとして、App Apeのデータから得られる「アクショナブルなインサイト」が寄与するというわけです。

これらの一連の読み解きで重要なのは、解決したい課題の設定と分析方針の決定です。”仮説思考”と言い換えてもいいかもしれません。

やみくもにデータを眺めるだけではなく、どんな課題を解決したいのか、どんなデータを参照すれば良いのかデータを分析するとどのような結果が得られそうかといった仮説を分析結果に加えて持っておくことで、アクショナブルなインサイトに至るまでのスピードが上がったり、意思決定の精度が上がったりするわけです。

ーーアクショナブルなインサイトはどんなシーンで価値を発揮しますか?

大野:わかりやすいシーンで言うと、経営陣に施策等を提案する場合です。経営陣への提案は結論から理解できるようなシンプルなものが求められます。その上で、その根拠についても明確な説明が求められます。

つまり、提案が「意思決定を促したい施策内容」で、その根拠が「アクショナブルなインサイト」になるわけです。そして根拠についてより詳細な説明を求められたら、上図のフローを、「Insights」、「Analyzed Results」と右から左へ戻るように説明を進めていけば良いわけです。

そのようなシーンでこそ、データ分析から導き出したアクショナブルインサイトの力が発揮されると思います。

そういう意味では、アクショナブルなインサイトはアプリ分析にとどまらず、業種を問わず提供できるApp Apeが持つ分析の価値とも言えるでしょう。

開発チームの目線を揃えて価値を提供へ

大野:アクショナブルなインサイトを提供するというApp Apeの価値は、フラーにとっても開発チームである自分たちの目線を揃えられるという価値につながります。

App Apeの開発において、プロダクトの細かい粒度での判断は専門性をもった各開発メンバーに委ねられています。

ただ、「分析の最後にどのようなアクショナブルなインサイトを得られるか」を土台にデータの整備・設計を体系化することで、「アクショナブルなインサイトを提供する」というゴールに目線を合わせることができ、各自が細かい判断に迷ったときにも、この基準に基づいてスムーズに判断・開発ができます。

このフレームは使っているうちに変わってくる可能性があります。ただ、ゴールである「アクショナブルなインサイトを提供する」という価値は、お客様にとってもフラーにとっても変わらないだろうと感じています。

ーー企業や世の中のデジタルトランスフォーメーション(DX)の後押しにもつながる、大きなテーマですね。

三輪:まさにそうです。App Apeというデータ提供のプラットフォームと、カスタマーサクセスチームの支援や分析ノウハウの提供を通じて、定量面・定性面の両軸の価値をデリバリーすることが、みなさまのビジネスに大きく貢献できると信じています。

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