理想の未来を共に描く。ヒト中心のものづくりだから見られる可能性 〜うちれぴディレクター後編〜
フラーはデジタルパートナー事業に取り組んでいます。
アプリやウェブをはじめとするデジタルプロダクトに関わる支援を通じて、“ヒトに寄り添うデジタル”をパートナーと共に創り、未来を育む事業です。
今回のデジタルノートで取り上げるのは、その取り組みの中でもサッポロホールディングスの新たなサービスのスマホアプリ『うちれぴ』のプロジェクト。
この記事では前編で綴ったディレクターによる『うちれぴ』のプロジェクトでの具体的なフェーズや新規事業への思いに続き、後編としてフラーのディレクターとしての役割についてお伝えします。
書き手は引き続き、ディレクションを担当した伊藤さんです。
「ヒトに寄り添う」を体現するということにどう向き合っているか
「ヒトに寄り添うデジタルを、みんなの手元に。」
これはフラーの掲げるミッションです。これ、デジタルプロダクトのディレクターにとっては割とすんなり腹落ちする表現だと思うんですよね。
基本的に我々ディレクターはだれがいつどんな場面で使う機能なのか、その機能を使うことでどんな体験を与えたいのか、プロダクトを使う人のことを考え続ける職種であり、その行為自体がこの「ヒトに寄り添う」という表現が意味するところだからです。
ヒト=クライアントに寄り添う
フラーの業態においては寄り添う対象として「クライアント」は重要です。クライアントの成し遂げたいことをなるべく正確に理解し、その上でより一層良いものになるようにディスカッションしていくようにしています。
その過程において、クライアントが言語化まではできていないけれど実は大事にしている想いや価値観について、丁寧にキャッチアップすることに重きを置いています。
先に書いたように、「うちれぴ」プロジェクトにおいてはベータ版への参画時にオフラインの集中ワークショップを通して課題感の深掘りと成し遂げたい理想の未来についての夢を共有しました。
プロダクトを作るときもコンセプトの言語化を行うと思いますが、事業においてはビジョン/ミッションを言語化することで「数年に渡りぶれない軸」を作ります。フラーでもこのフローをクライアントと一緒に行えるプロジェクトは多くないと思いますが、「うちれぴ」ではそれを通じて同じ夢を追いかけるところまで「寄り添えた」という気がしています。
ヒト=プロダクトのユーザーに寄り添う
これには色々な手法がありますよね。定性的にユーザーヒアリングをすることもありますし、定量的なアンケートやプロダクトのイベントを分析することもあると思います。うちれぴでももちろんそれらを取り入れていますが、わたしが大事にしているのは「現場」です。「人間観察」とも近いのですが、よりプロダクトに関連するユーザーの生活や行動に特化した観察ですね。
「うちれぴ」プロジェクトではよくスーパーに行きます。時間帯や曜日、さらにはエリアによって客層も異なれば、雰囲気も異なります。そんな雰囲気を見たり感じたりすると、単にヒアリングで聞く日常とは少し違ったものが見えてくるんです。
たとえば、アンケートやヒアリングでは「買い物はめんどくさい」というエピソードを聞くことがよくありますが、実際にスーパーでの姿を見てみるとあれやこれやと目移りしているのも楽しそうというか、特にコロナ禍においてはストレス発散のひとつになっていそうな感じでした。
行くまではめんどくさいけど行ってしまえばわりと楽しくて、もちろん本当にめんどくさいときもあるとは思いますが、買い物って実はエンターテイメントになり得るのかもしれないなと、そういう気付きもありました。
また、実際に買い物してる人は意外と視野が狭いというのも現地での気付きです。うちれぴはよく食品メーカーの方にご提案する機会もあるのですが、そういうときに一般消費者のお客さんにより商品に気付いてもらいさらには手に取っていただけるような企画にするためにこういった現地での気付きはとても重要だと思います。
よく言われることではありますが「ユーザーはプロダクトやサービスを改善するための答えを持ってはいない」というのはその通りです。なので我々は様々な方法でターゲットペルソナを描くし、ヒトを観察しペルソナへの理解を深めていくんですね。
フラーの思想と強み
フラーではこのように「ヒト」中心のモノづくりを大事にしています。
これはプロダクトがtoCでもtoBでも考え方としては同じで、使う人と状況、使う目的がプロダクトごとに異なるのでそれに合った体験=価値を創るということです。
今はスマートフォンを媒体とすることが多くの人に価値を届けるために非常に有効な手段なので、おおよそデジタルプロダクト≒スマホアプリという構図になっています。組織としてもスマホアプリ開発というスキルに特化していますが、近年はより技術革新の速度が増してきているのでスマートフォンそのものが取って代わられるような未来がいつ来てもおかしくはありません。
そのような状況においても「ヒト」中心という軸があればおそらく時代の流れに乗ってフラーとしての価値提供を続けていくことができるはずです。
その柔軟性こそがフラーの強みだと、わたしは認識しています。
今この時点においても、軸足は「クライアントの事業ドメインを選ばない」というヒト中心の柔軟性を持てるところに置いています。その上で「エンドユーザーに価値を届ける」というプロフェッショナルとしてのスキルがあることが、さまざまな企業様との取り組みに繋がっていますし、そこから更なるチャンスに発展することも多いです。
全ての職種において抽象度の高いことを要求しているので大変さももちろんありますが、新しい体験を作り続けることができるというのはフラーでモノづくりをすることで得られるとても楽しい経験だと思います。
フラーのディレクターであることの秘める可能性とは
ディレクターとしてはプロダクト観点と開発プロジェクト観点の両軸で可能性に溢れていると思います。
プロダクト観点では、新しいプロダクトの企画提案からグロースも込みで経験できる。案件にもよりますが、それらをクライアントと一緒に数字を見て仮説を立てて検証を行うというサイクルを回して進めていくので、ちゃんと経験として身につけて他の案件でも活かすことができます。
しかもこれを複数のプロダクトで経験できるのがとても大きくて、経験を抽象化することができるんですよね。事業会社に所属していると基本的にはひとつのプロダクトなので特定のプロダクトに特化した経験はできても抽象化は難しかったりするんですが、ドメインも異なるプロダクトで経験ができたらそこから抽象化された知見はものすごく価値の高いものになります。
フラーにはその知見を活かす場所もたくさんあるので、さらに知見が溜まっていく。とても良い成長サイクルが作れるんです。そうした知見を活かして世の中に対してインパクトのあるモノづくりに繋げられるのが、ディレクターとしては最高の体験だと思います。「うちれぴ」はさらに新規事業という特性もあり、前述の通り大変さも大きいですが最高に楽しいですね。
開発プロジェクト観点では、多様な状況に応じたマネジメント経験が積めるという感じでしょうか。ステークホルダーの数も役職も異なりますし、システム毎に内包するリスクも多様、社内のチームビルディングはもちろんクライアントの方々も含めたチームビルディングを考えて全体効率を上げていくなど、いろいろと工夫して提案して進めることができます。
規模についても大きいものでは億レベルの開発プロジェクトもあるので、社内外へのインパクトも大きい仕事ができます。規模が小さいプロジェクトももちろんありますが、全部大事なプロジェクトとして継続して携わっていけるというのも経済合理性だけではない価値観としてわたしは好きです。
また、クライアントさんによって開発プロジェクトの進め方が全く異なるのも、面白いと感じるポイントかもしれませんね。
さいごに
あれこれたくさん書きましたが、一緒にいいモノづくりができる仲間を募集中です。ぜひ一緒に働きませんか??
お知らせ
伊藤さん、ありがとうございました!
ディレクターの他に、エンジニア、デザイナーから見たうちれぴプロジェクトの記事も公開しています。
プロジェクトの全体像が見えてくるので、ぜひ一緒にご覧になってください。
フラーでは一緒に働くメンバーを積極採用中です。
ご興味お持ちいただけましたら、お気軽にご連絡ください。