新しい技術や挑戦を積極的に取り入れる 〜うちれぴエンジニア編〜
「ごはん作りって、がんばらなくて良いらしい」
『うちれぴ』は、そんなキャッチコピーを掲げたサッポロホールディングスによる新たなスマホアプリです。家族とのコミュニケーションを軸に家事負担軽減と「食」の楽しさや喜び創出を目指しています。現在食品メーカー30社近くによる約2万件のこだわりレシピを紹介しています。
フラーは「うちれぴ」に関するデジタル領域の戦略づくりからスマホアプリの企画、仕様策定、開発などアプリのローンチに至るまでの幅広い支援をさせていただきました。
フラーのメンバーはどのような思いで、どのようなことに取り組んできたのでしょうか。ディレクション、開発、デザインを担当したメンバーそれぞれが「うちれぴ」のプロジェクトを振り返りながら思いを綴りました。
今回の書き手は開発を担当したAndroidエンジニアの田口さんです。
開発時のAndroidを取り巻く技術変化
うちれぴの開発がスタートしたのは2022年1月頃でした。
技術というのは移り変わっていくもので、その当時Androidアプリ開発においてはUIフレームワークに大きな変化が起きていました。従来のXMLベースのViewシステムに代わり、Kotlinで記述可能なJetpack Composeが登場し、これにより、効率的なUIコーディングが可能となっていたのです。
Jetpack Composeの正式リリースは2021年7月だったので、動きの早いアプリでは既に部分的に導入していたり、Jetpack Composeのみで開発されたアプリも出始めた頃でした。
Jetpack Compose採用の判断
当時フラーでは新規機能などで部分的にJetpack Composeを導入しているアプリは存在したものの、Jetpack Composeのみで開発されたアプリは存在しませんでした。
採用するかどうかについてはリスクもあるので、当時のAndroidのテックリード、CTOと相談を行いました。
結果としては採用する事に決定したのですが、その判断理由を説明したいと思います。
うちれぴアプリについて考えた場合、以下のような理由が挙がりました。
従来のViewシステムで必要だった仕組みやライブラリの導入が不要になる
Jetpack Composeを採用しない場合、将来的に書き換える可能性がある
Jetpack Composeさえ導入してしまえば、以前は必要だった作業が簡略化されます。それに加え、Android公式からもJetpack Composeに力を入れてくといった旨の発信がされていましたので、将来書き換えなければならないリスクもあると考えました。
また、うちれぴアプリのみならず、フラーとしてのメリットは以下の2点が考えられます。
一つの言語で実装が可能
初学者の学習コストが低くなる
今後長い目で考えると、新卒の方など新たなAndroidエンジニアが入ってくれた時に、Jetpack Composeで作られたアプリの方が少ない学習コストでスムーズに実務に入れるのではないかと考えました。
こういった理由で採用は決定しましたが、一つ注意しなければならないのはこれはお客様からの依頼で開発しているアプリだという事です。Androidの技術選択によって全体のスケジュールに影響を出す訳にはいかないのです。そういった事もあるので、慎重に判断し新たな挑戦であるJetpack Composeの導入に取り組み始めました。
こういった判断の際、テックリードからは背中を押される事しかありませんでした。そういった心強さも決断出来た要因だったかもしれません(笑)
Jetpack Composeでの開発
これまで採用するに至ったお話をさせていただきましたが、導入当時Jetpack Composeでの開発には、まだ欲しい機能がなかったり、バグがあったりといった辛い部分がありました。
ですが、Jetpack Composeリリースから半年程度月日も立っていたので海外を中心にある程度情報はありましたし、Googleが足りない部分を補うようなライブラリを出してくれていた事もあり、つまづきながらも何とか開発することが出来ました。
また、社内でも一部でJetpack Composeを導入していたこともあり、社内の知見を活用出来る部分もありました。
フラーの良い所として、気軽に「〇〇について知ってる人〜!?」と聞くとどこからともなく人が集まり、惜しげもなく知見を教えてくれたり、時には一緒に調べてくれたりします。
その他の初挑戦
これまでは大きい挑戦だったJetpack Composeについてのお話を中心にさせていただきましたが、その他にも初挑戦のものはあって、例えば、家族を招待する際のリンク生成に使用したFirebase Dynamic Links※なども私はうちれぴで初めて使用しました。
※2023年5月17日にサービスの終了が発表されました。移行が必要になります…
これはユーザーにとっての使い勝手を向上させるために、プロジェクトメンバーと相談して採用を決定しました。
このように一つのプロジェクト内でも大小あれど挑戦がいくつもありました。フラーではプロジェクトがいくつもありますし、私自身も複数のプロジェクトに取り組んでいるのできっと開発に飽きる事はないと思います!
新しい技術や挑戦を積極的にしていけるので、主体性を持ってガンガン進めたい人にとってはフラーはとても良い環境だと思います。
あと、実は私はフラーに入ってゼロから開発したのはうちれぴが初めてで、それも大きな挑戦でした(笑)
まとめ
うちれぴでは私自身の挑戦がいくつもあり、リリース出来た時は大変達成感のあるアプリでした。
しかも挑戦を評価していただき、貰うことはないと思っていた月間MVPまでいただけたのも嬉しかったです。そんな事もあり、うちれぴには大変思い入れがあります。
ただ、一つ心残りがあって…それはリリース後の打ち上げに参加出来なかった事です。様々なタイミングが合わず仕方のない事だったのですが、10名を超えるプロジェクトメンバー全員と顔を合わせてリリースを喜び合いたかったので、いまだに悔やまれます(笑)
最後に、うちれぴはデザインが可愛らしく私は気に入っていて、開発していてとても楽しかったですし、素敵なアプリに仕上がっているので是非たくさんの方々に使っていただきたいです!
お知らせ
田口さん、ありがとうございました!
エンジニアの他にも、デザイナー、ディレクターから見たうちれぴプロジェクトの記事も公開しています。
プロジェクトの全体像が見えてくるので、ぜひ一緒にご覧になってみてください。
フラーでは一緒に働くメンバーを積極採用中です。
ご興味お持ちいただけましたら、お気軽にご連絡ください。