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デジタルプロダクトづくりに触れた意味のある学び。第四北越銀行から出向した9ヶ月を振り返る

フラーは「ヒトに寄り添うデジタルを、みんなの手元に。」をミッションに掲げて事業に取り組む一方、新潟と千葉に本社を置く企業として地方のDXを地域に根ざして推進する取り組みも大切にしています。

その一環として、2023年1月からの9ヶ月間、新潟県の第四北越銀行からの社員出向を受け入れてフラーのデジタルプロダクトづくりを現場で感じて学んでもらいました。

このnoteでは出向でフラーにいらした第四北越銀行の長谷川さんとフラーでメンターを務めた榊原さん、2人のインタビューした様子をお伝えします。


ディレクターとして過ごした9ヶ月間

ーーはじめに、自己紹介をお願いします。

第四北越銀行 長谷川さん

長谷川さん(以下敬称略):
第四北越銀行事業開発企画部の長谷川です。
2016年に第四北越銀行燕支店に入行し、営業店で法人営業としてお取引先の企業を訪問、融資や資産運用、ビジネスマッチングなどさまざまなご提案を行っていました。

DX推進を求められる中で自分自身のデジタル知識の不足に危機感を感じたのをきっかけに行内のデジタル関連部署への社内公募に手を上げ、プロダクト開発の基礎知識を取得してユーザー視点の柔軟な思考プロセスを学ぶため出向していました。

フラーさんには、2023年1月からデジタルパートナーグループのディレクター職として、クライアントワーク案件のアプリ開発に携わらせていただきました。

フラー 榊原

榊原:
フラーでシニアディレクターを務める榊原です。
僕は2020年4月にフラーに入社し、デジタルパートナーグループでディレクターをやっています。そのときからアウトドア関係の案件を継続して担当して、他にも複数の案件に携わりながら、直近では農業や新聞関係の案件も担っています。

2023年1月からは、長谷川さんのメンターとして1on1をしたり一緒に案件を担当したりしていました。

ーー長谷川さんはフラーのディレクターとして9ヶ月を過ごされたとのことで、具体的な業務内容を教えてください。

長谷川:
最初に農業関係の案件、そのあと6ヶ月目からは街づくり関係の案件と2つのアプリ開発に参加させていただきました。クライアントとの会議に同席したり、既存アプリの施策・企画検討、ワイヤーフレームの作成、要件定義書・仕様書の作成、開発の進行管理、QAテスト、コーポレートサイトの事例検討など本当に幅広く業務に携わらせていただきました。

榊原:
ディレクターの業務を一通り経験してもらえたと思います。

長谷川さんが担当したクライアント2社は取り組み方もフェーズもチーム構成も違うから、それぞれ違う面が見れた9ヶ月でしたね。

長谷川:
全然違いましたね。クライアントの性質然り、そのときにすべきタスクも全然違うものだったので、どちらもすごくありがたい経験だったと今は思います。

はじめは、すべてに戸惑った

ーー出向にいらしたばかりのころ、ITやデジタルとは違う業界にいる長谷川さんは全然違う環境に戸惑っていたと聞きました。一番戸惑いを感じたのはどのあたりですか?

榊原:
……全部じゃない?

長谷川:
全部ですね。

長谷川:
まずIT独特の用語や言葉が飛び交ってるところについていけなくて、最初は混乱し続けていました。同じことを何回も榊原さんに聞いた記憶があります。

エンジニアの方が話す聞き慣れない専門用語が実際の日常の業務と繋がっていくまでは、本当に周りの人にずっと聞いたり調べたりして把握するようにしていました。

榊原:
一番最初の案件が、開発フェーズ真っ只中だったのもありますよね。

経験がないところからデジタルプロダクトづくりを勉強しにきたと僕も思っていたので、基本的な用語や仕様書を作ったりアプリ開発を進めたり、一連の流れを一緒に覚えてもらえるといいなと思いながら過ごしていました。

フラーだから学べた視点や考え方

ーーはじめのころ、長谷川さんはフラーのアプリ開発におけるユーザー視点のブレなさに驚いたとお話されていましたね。

長谷川:
銀行で営業を始めるときの研修でも「まずはお客さまのことをよく理解して、お客さまに最適なソリューションを提供する」と教わります。実際に、フラーさんに負けないくらいお客さまに寄り添っていると思います。しかしデジタルプロダクトのこととなると、ユーザーが実体として目の前に見えないふわふわとした存在であるため、ユーザー視点やユーザーニーズを考えることが難しいなと感じていました。

フラーにいる9ヶ月間ではそんなデジタルプロダクト開発にあたって、ユーザーを実体として考えることの重要性やプロダクトの先にいるユーザーを知るための手法も学べたと感じています。

ーー現場ではフラーの言語化することを当たり前としている様子にも驚いたと聞きました。

長谷川:
はい。特にデザイナーの方々と業務で携わったときに感じました。自分もフラーさんとやりとりするまで、デザイナーは絵を描く人だと思っていました。

でもそうではなく、デザイナーはユーザーの感覚を言葉にしてくれます。また改善点や変更点には必ず納得できるような理由をセットで説明してくださっていたので、非常に感動しました。

デザインに込められた意図や理由を聞いてなるほどなと思うことばかりでした。

デザイン思考という言葉だけは知っていたけれど、散らばってるたくさんの情報を整理してアプリのデザインに落とし込んでくれるのを間近で見て感動していました。できればデザイナー3人くらい一緒に銀行に来てほしいと結構真剣に思ってしまいましたね。

ーーデザイナーに限らず、フラーはみんな言語化を大切にしている印象があります。

榊原:
言語化できないと、納得してもらうのが難しいですよね。「なんとなくこっちのほうがよくないですか?」では、信頼も得られないですから。

長谷川:
これだけ言語化してもらえると共通認識ができるんだろうなと感じました。実現したいことも細かいニュアンスも、最初からしっかりと言葉で伝えることで認識のズレも減るからこそ、できあがってからの大きな変更が発生することも少なくなっているのではないでしょうか。

長谷川:
もうひとつ驚いたのは、フラーさんの“共創”という概念です。

正直ブランディングのための言葉なのかなと来る前は思っていたのですが、仕事をしていく中で本当にクライアントのパートナーとして一緒に作っていく姿勢を感じました。クライアントが言った通りに動くだけじゃなくて、気になるところは議論をしっかり重ねたり、事業の根幹から一緒に考えたり、そこまでやるんだとびっくりしました。

榊原:
フラーはすごく丁寧な取り組みをしていると思うんです。

でも正直、そこはバランスが一番難しいところでもあります。プロダクトはお客さまのものだから、提案はしても否定はしない。あくまでも僕らは受託されて取り組んでいることを念頭に、必要な議論は適切にしながらいいものを創っていく。

特にディレクターはそのバランスを慎重に見極めながら、自社とクライアントの間に立つ役割だから難しいこともたくさんあるけれど、長谷川さんは持ち前のコミュニケーション力の高さで円滑に進めていましたね。

プロジェクトの日礼に参加する長谷川さんのようす

デジタルは無敵じゃない

ーー出向当初は「デジタルを学び、中小企業の業務効率化に向けてデジタルの重要性を伝えていきたい」と話されていましたが、これは達成されましたか?

長谷川:
デジタルの重要性を学びましたが、DXにおいては、手当たり次第にすべてをデジタルに置き換えることが必ずしも正解ではないとも感じました。デジタルというツールをどう使うかが重要で、デジタルに置き換えて効果的なこともあれば、そうではないこともあります。

今回の出向を通して、お客さまが目指したい姿や現状の課題を正確に把握したうえで、最適なデジタルの活用を考えることが重要だと学びました。

榊原:
DXはキャッチーな言葉だからよく使われるけれど、大事なのは“デジタルで何を変えたいか”ですよね。デジタルで何かをより良くしたり効率化させたりするのがDX推進の基本の考え方で、デジタルは今後もっと必要になっていくだろうし、どんどんと変わっていく分野でもあります。

そんなときに長谷川さんが銀行でもデジタルやITについてアンテナを張って、それを人に伝えられたらいいですよね。

長谷川:
はい。もう一つ学んだ重要だと感じた点は、”わかりやすくて誰でもかんたんに使えるサービス”を、”小さく始める”ということです。

ユーザー視点の話にも繋がるのですが、おそらく何か新しくデジタルのツールを導入しても使いにくかったり分かりづらかったりしたら元のやり方に戻ってしまうと思うんです。

一概にデジタルを使えばすべて良くなることもないと思いますが、デジタルは確実に課題解決の手段として有効だと思うので、少しずつでもデジタルを試していただけるように、重要性を伝えていけたらと考えています。

榊原:
デジタルは便利だけど、無敵じゃないのでね。運用でカバーしたほうがいい場面もあります。必要なところに必要な技術を入れればよくて、長谷川さんはこの9ヶ月でそういう視点でも見られるようになったと思います。

現場で基礎を学んだ9ヶ月

榊原:
振り返ってみると、9ヶ月でしっかりアプリ開発を始めとするデジタルのものづくりの基礎を学んでもらえた感じがしますね。

おそらく本来の目的もそこだし、基本的には基礎に焦点を当てようと最初に話をしていましたが、それは達成されたんじゃないでしょうか。

長谷川:
はい。最初のころはわからないことだらけでしたが、特別扱いなどなく新人ディレクターとして、同じように仕事を任せてもらい、みなさんに助けられながらですが主体的に仕事ができた環境は、とてもありがたかったですね。

榊原:
今の長谷川さんなら安心してある程度なら一人でも現場を任せられると思っていますよ。

長谷川:
出向中に何度か銀行に戻ってベンダーの方々と打ち合わせにも出席していたのですが、6ヶ月目くらいからシステムに関する会話についていけるようになっていました。

出向前も勉強はしていたんです。本を読んだり資格の勉強をしたりして用語を覚えることはできていたけれど理解まではできていなかったな、と振り返って思います。出向して、現場で経験したからこそ実感としてのイメージがやっと掴めるようになりました。

榊原:
座学と実務は全然違いますからね。

長谷川:
全然違いました。

出向してよかったことのひとつに、実際に、開発する現場の流れを経験できたことがあります。今すぐ当行が開発を内製化するのは難しいので、必ずベンダーさんに依頼することになります。開発する上で気をつけたい点や「難しそう」などの度合いも感じられるようになったのも、現場で開発に取り組めたからです。

このような有意義な学びの時間をいただけたことには感謝しかないですし、出向から戻ってからが本当のスタートだと思って気を引き締めたいです。

取材を終えて

「9ヶ月でできるようになった気になっていたけれど、一人で実際に手を動かしてみるとまだまだ訓練が必要だなと感じています。出向が終わる前にそれに気づけてよかったです」

出向の最終成果物を示す提出資料を作っていたという長谷川さんはそう話していました。銀行に戻った後どう行動していくかが大事だと話していた姿がとても印象に残っています。

フラーは今回の第四北越銀行との取り組みのような、デジタル面の社員教育を含めたDX推進支援をこれからも続けてまいります。

企業や事業とデジタルの距離をより縮めるための一歩に寄り添い、地域の、ひいては日本全体のDXを推進する。それがデジタル領域全般の“頼られる存在”として事業に取り組むフラーの役割だと思うからです。


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