フラーのデジタルノート
外に出る、裏側のヒトを想像する、チームの意識を揃える。 フラーのディレクターが感じる、アウトドアアプリを作る苦労と面白さ
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外に出る、裏側のヒトを想像する、チームの意識を揃える。 フラーのディレクターが感じる、アウトドアアプリを作る苦労と面白さ

フラーのデジタルノート

株式会社ARC地域研究センター、筑波大学芸術系の原忠信准教授、つくばトレイルガーディアンズ、株式会社ターバンとともにフラーが2021年11月にローンチした筑波山登山アプリ「Mount Tsukuba」は、筑波山登山をもっと楽しく安全にするアプリです。

アプリ開発のプロジェクトをすすめる中で、実際に企画や開発を手掛けたフラーのメンバーはどのような思いをもって取り組んだのでしょうか。

「ヒトに寄り添うデジタルを、みんなの手元に。」をミッションに掲げるフラーで、デジタルパートナーとして実際にものづくりに取り組むメンバーがそれぞれのプロフェッショナル領域や興味関心をもとに綴りました。

今回の記事を書いたのは、「Mount Tsukuba」の企画・進行管理を担当したディレクターの大藤淳です。(編集:宮﨑朋美・日影耕造)

大藤淳(ディレクター)
プロフィール:1986年茨城県生まれ。大学卒業後、学生時代から形になるものづくりに携われる職業を目指し、約3年間のWebデザイナー・コーダーを経て、2012年9月にデジタルマーケティング支援会社に入社。主に大手企業Webサイトの運用・構築ディレクターを担当。複数社のマーケ成果・生産性向上につながるPDCA運用・サイト構築・サーバー移行プロジェクトなど幅広く経験。2020年8月、フラー株式会社にディレクターとして入社。

ディレクター生活10年で初めて「地方創生」を意識

本プロジェクトは、ウィズコロナ時代を踏まえた茨城県の「DXイノベーション推進プロジェクト」の一環として発足したものです。

DXの視点から筑波山の登山体験をより楽しく、安全に行えるようにするため、デジタル領域のプロフェッショナルでアプリ開発を得意とするフラーがプロジェクトに参画しました。

アプリ開発の市場では近年、地方自治体・非営利団体が新たな手段としてアプリを活用する動きが顕著です。

私は10年近くディレクター業務に携わってきましたが、今回の取り組みで初めて「地方創生」を意識することとなりました。

今までの開発プロジェクトとは様々な違いがあり、悩みながらも多くの気づきを得ることができました。

筑波山が抱える課題感とプロジェクトのゴール

今回のアプリの企画・開発に取り組むにあたって、私たちはまず筑波山登山の課題について大きく4つに整理しました。

  • 登山客数は2007年の277万人をピークに、200万人にまで減少傾向

  • 登山客数の減少による周辺事業の経営難

  • 年間100人前後も発生している下山困難者・遭難者

  • ハイシーズンにおける登山道渋滞

これまでは行政機関・地方自治体・非営利団体などの相互協力によって筑波山の良好な登山環境をなんとか維持していました。

しかし、新型コロナウイルスの影響もあり、筑波山の登山を守るためにはこれまでの取り組みを支えつつ、新しい試みにチャレンジする必要が生じていました。

このような課題に対して、フラーにはアプリを用いて解決に臨むことを期待されていました。

アウトドア x デジタルの融合

様々な課題がある中、共同開発したつくばトレイルガーディアンズをはじめとする関係者の皆さんやフラーのメンバーで議論した末に、今回のアプリでは「登山者の減少」についてフォーカスすることにしました。

「筑波山に登ってもらうためには何ができるのか」

この課題に対しては様々な切り口がありますが、私たちは安心安全を提供することで筑波山への登山を促すという方針に着目しました。”登山”という危険を伴うアウトドアアクティビティなので、安心や安全に配慮されたプロダクトでなければならないと考えたからです。

そこで我々は「安心かつ課題を解決する」という意味を込めた“3S(Safety × Sustainable × Share)"というコンセプトを立ち上げ、その中心にアプリの機能設計に乗り出します。アプリの将来を決める大事なプロセスであり、そこで直面した難しさもありました。

象徴的な「Support(チップ)」機能

今回のアプリで特に象徴的だったのが、「Support(チップ)」機能です。

登山道や休憩スペースなどを安全に綺麗に保つためには、有志による保全活動が欠かせません。

実際に登山をする方には馴染みのある文化だと思いますが、保全活動を維持するために登山者は有志でチップを払います。山を利用したり楽しんだりするみんなで、山の環境を守るためです。

今回のアプリでも3Sの実現のため、また、お互いを支援する美しい文化を守るため、アプリ上でも保全活動へのチップを払うという行動を実現できないか検討した結果として、Support機能を盛り込むのは自然な流れでした。

登山を楽しんでもらうだけでなく、筑波山をみんなで大事に守っていくマインドや安全を保つために保全活動に間接的に関わってもらうーー。アプリを通じてその体験をユーザーに提供したいという思いがSupport機能には込められています。

一方、今回のアプリのコア体験は、ルートを変えて登山したり、ARフラッグの写真をシェアしたりと筑波山をより楽しんでもらうことです。Support機能がコア体験を阻害することになっては本末転倒となります。

登山届提出のタイミングや、登山回数を確認できるマイページへのボタンの設置など、これから登山を始めたりあとで記録を振り返ったりするタイミングでSupport機能に気づいてもらえる工夫をしました。

このように、アプリ単体での体験ではなく、登山というアクティビティ全体を考慮し、より自然にユーザーの体験に溶け込むよう随所に仕掛けを設けていきました。

実際、アプリの実証実験期間自体は5カ月と短いものでしたが、筑波山を大事にしたいというユーザーから予想以上にご支援をいただきました。

ちなみに、ユーザーがチップを送るタイミングについては、登山届提出時が8割という面白い結果が出ました。

結果から登山に慣れたユーザーからの支援が多かったことが推察されます。こんなところからも筑波山が登山者に愛されている山だということが伝わるのが面白いですね。

アプリを通じて地域を盛り上げる

2021年11月、アプリが無事にリリースされました。筑波山のハイシーズンである11月に間に合わせるため、開発決定からローンチまでは6カ月という"スピード勝負”の開発でした。

もちろん、アプリのリリースまで様々な出来事が開発の現場では起き続けましたが、目的の紅葉シーズンに間に合わせることができたおかげで、想像以上の反響を得ることができました。

共同で開発した企業や団体にとどまらず、今回のプロジェクトに関与している組織・機関は本当に数え切れません

そんな関係者全てを取りまとめる苦労はありましたが、各機関の多大なる協力を頂けたおかげで、多くの施策を実行に移すことができました。

下記の施策はそのほんの一例です。

  • ポスターなどの大規模なプロモーション

  • 各種メディアとの連携

  • アプリを用いた登山で受け取れるグッズ提供

  • 登山道への標識やビーコンの設置

正直、やりたいことはまだまだたくさんあります。

それでも、ユーザーの登山体験に対してデジタルからのアプローチで課題解決に向けた良い影響を与え、地域を盛り上げる第一歩をまず踏み出せたことは、ディレクター冥利に尽きます。

アプリで「より楽しく安心・安全な筑波山」を目指しながらも、長期的には筑波山に限らず全国の山々にも展開していきたいと考えています。

さいごに

最後に、今回の筑波山の課題抽出から解決の一端を担うアプリ開発を通じて感じた、成功するアウトドアアプリの開発のポイントについて、一部ではありますがディレクターの立場からまとめました。

「まずは外に出る」

自宅やオフィスにいても分からないことばかりです。現地に足を運ばないと気づけないことで溢れています。

「裏側のヒトを想像する」

整備された登山道を当たり前に登れるのは、裏側で整備する人の協力と資金あってのことです。実際にそういう視点で登山をしてみないと気づけません。

様々なアクティビティもみんなで守り、持続可能にしていくものなのだということを忘れないようにしたいです。自戒を込めて。

「チームの意識を揃える」

アプリ開発を行う際には、ディレクターを中心にエンジニア、デザイナー、そしてクライアント(今回はコンソーシアム)の方々でチームを組んで進めていきます。

今回は登山という新しい領域だったので一番最初に取り組んだのは「チームの登山に対する考えを揃える」ことでした。

それがあって初めてクライアントやユーザーの気持ちが分かります。嬉しいときも大変なときも、意識が揃っていると乗り越えられるようになります。

筑波山登山アプリ「Mount Tsukuba」を手掛けた、ほかのメンバーの記事もあります。ぜひご覧ください。

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