エンジニアとして、自分もチームも挑戦し続けられる土台を作る 〜フラーの「頼られる存在」2021年半期社長賞インタビュー〜
アプリとデータを中心とした『デジタルパートナー事業』を営みながら、なによりもヒトを大切にするフラーは、経営理念のひとつに「頼られる存在になろう」という価値観を掲げています。
プロフェッショナルであること、人の和を大切にすること、当事者意識を持つこと——これらを満たす人が、フラーにとっての「頼られる存在」です。
そんなフラーでは半期に一度、この理念に最も適ったメンバーを社長賞として表彰しています。
そこで今回は、2021年下半期に社長賞に輝いたメンバーと、その表彰を決めた社長に、「具体的にどのような点に力を入れたか、決め手だったか」などの話を聞いてみました。
——今回の社長賞の選出理由を教えてください
山﨑(フラー社長):
今回の社長賞には、iOSエンジニア兼テックリードの岡くんを選出しました。
理由は、ある案件の大型アップデートをほぼほぼ問題なく成功させてくれたことが、一番大きなものとして挙げられます。
もちろんその案件以外にも、2021年下半期のフラーはたくさんの大型アップデートを行いました。しかし、とりわけ岡くんが担当してくれたそのアップデートは、業界的にもまだあまり前例のない、マイナンバーカード読み取りを含めた本人確認機能の実装という特殊なものだったんです。
これをほとんど不具合なくこなしてくれ、ユーザーさんに高い品質の体験を届けられたことは、フラーとしてすごく大きかったなと。
岡(iOSエンジニア、2021年下半期社長賞):
今回、社長賞をいただいたiOSエンジニアの岡です。
具体的なお話をすると、件のアップデートでは、マイナンバーカードを読み取るNFCにおいて他社ベンダーのSDKを用いており、それについて僕が何かを一から作ったわけではありません。
ただ、開発されて間もない新しいSDKということもあって、実際組み込む際には様々なハードルがありました。そこで、ベンダーさんと密に連携を取っていくことでハードルを解消し、機能を実装できました。
なお、そのベンダーさんのSDKをぜひ使いたかった理由は明確にあって、それはeKYC(オンラインによる電子的な本人確認)において、ホ方式とワ方式に対応していたことです。
ホ方式が身分証明証の撮影による本人確認、ワ方式がマイナンバーカード読み取りによる本人確認です。
本人確認実装において、まだまだ一般的で馴染み深いホ方式は外したくなかったし、一方で、新しく便利なワ方式も取り入れたかった。ユーザーさんのことを考えれば、両方できるのが理想だなと。
今回使わせていただいたSDKは、それが叶うのが魅力でしたね。
山﨑(フラー社長):
こういった、あまりドキュメントも前例もない実装については、大変だということで避けたいと思っても仕方ないと思います。でも、岡くんはお客さまの表現したい世界やその先にいるユーザーさんのより良い体験のために、前向きに頑張ってくれました。
そこがすごくありがたかったし、頼もしかったと感じています。
なお、今回の案件において、お客さまとの打ち合わせに出ていたのは主にディレクターですが、岡くんはその裏で、ディレクターがお客さま相手に正しい受け答えをするためのサポートもしてくれていました。そんなところも岡くんの頼れるポイントですね。
——業界的にも新しい事例であるマイナンバーカード対応について、苦労はありませんでしたか?
岡(iOSエンジニア、2021年下半期社長賞):
マイナンバーカードは、普及し始めた頃に自分も取得して、住民票の取り寄せなどに使ってみてはいました。ただ、それはエンドユーザーとしての体験でしかなく、そこで実際に保存されている情報や、使われている方式などはわかっていませんでした。
なので今回、マイナンバーカードに対し、まずそのあたりの開発者としての知識をつける必要はありましたね。
また、やはり個人情報に関わるので、色々難しい分野ではあると思います。正直な話、特にマイナンバーカードは取り扱いに慎重なユーザーが多く、他の身分証明書と比べてまだ普及しているとは言えません。
なので、各種の実装においては、ディレクターと「この機能はなんのために実装するのか」を都度改めて確認しながら、必要なものを見極めてより注意深く進めていきました。
山﨑(フラー社長):
ユーザーにとって馴染みのない、もっと言うと遠巻きにされているような技術やサービスって、取り入れるのに勇気がいるよね。新しい技術ならなおさら。そこを、技術と意欲できちんとカバーして進んだ、それが岡くんのすごく良いところですね。
知的好奇心が強くて、実力も伴っているから結果では失敗しない。実際、不具合もほとんどなかった。本当に頼れます。
岡(iOSエンジニア、2021年下半期社長賞):
ありがとうございます。
でも、僕だけじゃなく、チームが全体的に「新しいことに挑戦したい」タイプだったからかなと思います。
山﨑(フラー社長):
たしかにチームみんな、そんなメンバーだったかも。だけどやはり、岡くんの影響は大きかったと思うな。
そんな岡くんも、もちろん完璧ではないんですよ。今回のアップデートでも、実装に苦労したところは他にもあった。
しかし、僕がそのときすごく頼もしく感じたのが、岡くんが実装時の困難に、悔しがりながらもずっと立ち向かい続けたこと。
ものづくりにおいて僕は、「もっとうまく作れるはず」と思えてしまったとき、デザイナーとしていつもすごく悔しく感じます。
だから、同じように悔しいという気持ちを、エンジニアが持ってくれているのが嬉しいです。
学ぶ気持ちを持ち続け、失敗には悔しいと感じる。こういった向上心にあふれたところが、岡くんがフラーにとっての「頼れる存在」である点です。
それは実際のプロダクトの出来やお客さまの満足度にもつながっています。アプリのバグは少なく、お客さまからは「ここ10年の中で最高のパートナー」と評価していただけました。
こういうとき、心からフラーの社長で良かったと心から思います。
ちなみに、大変だなあとか無理かもとか思ってしまうことはない?
岡(iOSエンジニア、2021年下半期社長賞):
それはもちろんあります。そうしたら、いったん別のことに避難していますね。お風呂に入ってみたりとか、スマホをいじってみたりとか。
そうすると、湯船に浸かってハッと思い浮かんだり、なんとなくツイッター眺めていてアイディアが湧いてきたりする。
そうやって、翌日にアイディアを試してみたり。その繰り返しですね。
今回のプロジェクトでも、一回作って二回作って、作り直して三回目にようやくできた箇所もあります。それだけこだわったところだから、できたときは特に嬉しかったです。
——チームワークという点では、なにか心掛けていることはありますか?
岡(iOSエンジニア、2021年下半期社長賞):
slack上に、プロジェクトチーム内で開発状況を共有するためのGitログチャンネルがあるのですが、そこは意識して見ていますね。他のメンバーの状態がわかるんですよ、「この人はここの開発でちょっと忙しそう」とか。それに気づければ、自分なりにそのメンバーに気を配ることができるので。
ただ、今回のチームに関して言うと、みんな前向きだったのであまり落ち込むことはなかったですね。
もちろん忙しくてピリつくことはありましたが、そういうときは、積極的にコミュニケーションをとったり作業分担をしたり、人や状況に合わせて自分にできることをしています。
山﨑(フラー社長):
こういう人がチームにいてくれると、すごく助かる。社長賞に選んで間違いなかったなー!
見てくれる人がいるのは、本当に大きいことです。
自分も社長になって、以前のように一人一人の仕事を細かく見ることは難しくなりましたが、悪いことだけ報告や話題に上がる会社には絶対にしたくないなと思っています。
メンバーが良い結果を出したときにこそ、みんながそれを報告し合い、話題に挙げるような会社にし続けたいです。
——「頼られる存在」として表彰を受けた岡さんですが、逆に岡さんの思う「頼られる存在」はどんな人ですか?
岡(iOSエンジニア、2021年下半期社長賞):
お互いに教え合える相手、ですね。これは社会人になる前、研究室に所属していた学生の頃から思っていることです。
教えるだけでも教えられるだけでもない、お互いに教え合える相手は刺激的だし、いざというときに声を掛けやすいなと。
フラーにはそんな相手がたくさんいますが、一人挙げるならサーバーサイドエンジニアの一野瀬さん。同じサーバーサイドのメンバーはみんな言っていますが、知れば知るほどすごさがわかる人です。
(編集注:一野瀬の紹介記事はこちら↓)
山﨑(フラー社長):
なるほど。岡くんと一野瀬くんは二人とも、興味のある分野について情報を掴むのがとても速いです。だからこそ教え合える相手なのかもしれないですね。
——話題に上がったアプリのアップデートのほかに、この半期で力を入れたことはなにかありますか?
岡(iOSエンジニア、2021年下半期社長賞):
新しく入社してくれたiOSエンジニアの、オンボーディングに使われるドキュメントをしっかり作ったことですね。
自分はその新メンバーのトレーナーを務めたのですが、ドキュメントを作り始めたのはそのお話をいただく前からです。「作った方がいいよね」と思って。
こういう作業も好きなので、自分としてはすごく楽しんで書いた覚えがあります。
山﨑(フラー社長):
こういうことを自然にやってくれるところが、ほんとに頼れるんですよね……!
——最後に、これから伸ばしていきたいスキル、がんばっていきたいことなどを教えてください
岡(iOSエンジニア、2021年下半期社長賞):
まずは、エンジニアリングに関すること。開発をしている中で、ボトルネックだなと感じる部分をしっかり解消していきたいです。
一つ具体例に挙げると、プロジェクトによってはエラーハンドリングがまだきちんと組めていないと感じるので、それを作るための仕組み作りからやっていきたいです。
また、テックリードと言う立場をいただいているので、他のエンジニアのレベルアップを助けていきたいですね。みんなで協力しあって、組織としてよくなっていきたいなと。
それから、ディレクターさんたちの補助も、より率先してやっていきたいです。自分がディレクター業をできるわけではないですが、書いたドキュメントを褒めていただけることはあるので、そういった形で、プロジェクト内のことだけでも力になれたらと思います。
山﨑(フラー社長):
ちなみに、そんな岡くんの作ってくれたアプリはこちらです! 皆さまぜひ!
フラーでは、新メンバーを随時お迎え中。ご興味お持ちいただけましたら、こちら↓の採用ピッチ資料もぜひご覧ください。
採用ページ↓もぜひ覗いてみてください!
(インタビュー:松岡・平山、校正:平山、写真撮影:島)