Gravity、二ノ国、レット…新機軸が台頭 月次アプリ情勢報告(2021年5月、6月)
各月のスマホアプリの利用動向データから市場や人々の生活、トレンドの変化を毎月紹介する「月次アプリ情勢報告」今回は2021年5月と6月の各月のアプリ市場全体の大きな動きや個別のトピックについて、スマホアプリ分析ツール「App Ape(アップ・エイプ)」のデータをもとに解説します(データはApp Ape推計、iOS・Android合算)。
緊急事態宣言下の5月もアプリ利用は旺盛
(App Ape推計、iOS・Android合算)
大都市圏を中心にゴールデンウィーク中を含め緊急事態宣言下となった2021年5月のMAU上位500アプリの合計MAUは前月比0.6%減、前年同月比24.1%増となりました。
1回目の緊急事態宣言下だった前年同月に比べ、アプリ全体の利用は活発化した形で、ほぼ前月並みの利用がありました。
MAU上位500アプリのうち前月比10%増以上となったアプリは36アプリ、前年同月比30%増以上となったアプリは190アプリとなりました。
前月比10%増以上となった36アプリの用途別ラインアップを見ると、フード&デリバリーが5アプリでそのうち2アプリはデリバリー系でした。以下、ショッピング4アプリ、コミック書籍系4アプリ、ゲーム系4アプリと続きました。
エンタメ系コンテンツが多かったのは、緊急事態宣言下のゴールデンウィークでインドア・巣篭もりによるコンテンツ消費が旺盛だったのに加え、GWを当てこんだマーケティング施策が奏功した結果と筆者は見ています。
”疲れない”SNS「Gravity」が急伸
(Google Playより引用)
個別のアプリで最も前月からの増加率が大きかったのはSNSアプリ「Gravity(グラビティ)」。前月比250.8%増となりました。
「Gravity(グラビティ)」は、フォロワーの数が他のユーザーに公表されない仕組みです。ソーシャルでの他の人との比較をせずに利用できることから”疲れないSNS”や”優しいSNS”として広がりを見せています。
6月は前月から減少も前年同月比23.1%増
緊急事態宣言が解除となった2021年6月のMAU上位500アプリの合計MAUは前月比2.7%減、前年同月比23.1%増となりました。
6月は2021年に入ってからMAUが最も少ない月となりました。前年も6月が「谷」となっていることから、季節性も反映している可能性があります。
500アプリのうち前月比10%増以上となったアプリは16アプリ、前年同月比30%増以上となったアプリは185アプリとなりました。
「Spoon」が前月比67.9%増、「二ノ国」が初登場24位
(Google Playより引用)
前月に比べ利用増となったアプリの用途別ラインアップを見ると、最も増加率が高かったのは音声配信アプリ「Spoon (スプーン) - ラジオ・音声ライブ配信・ポッドキャスト」で前月比67.9%増となり、同アプリの過去最高を記録しました。
(Google Playより引用)
また、6月11日にローンチした「二ノ国:Cross Worlds」は、月の途中からの集計にもかかわらずゲームカテゴリーのMAUランキングで初登場24位となりました。
フリマアプリの新機軸で「レット」躍進
(Google Playより引用)
筆者が特に注目したのは、フリマアプリ「レット」です。「タイムバンク」からサービス名を変更し、食品ロス・在庫ロス削減をキーワードにユーザーが伸びています。6月は前年同月に比べ3.4倍となりました。
今後フリマアプリの新機軸となるのか、注目です。