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スマホアプリから見えた2023年の日本人。利用者数が多いスマホアプリ50個を読み解く

スマートフォン(スマホ)が幅広い世代に浸透した結果、スマホアプリは人々の生活や行動様式の「映し鏡」となりました。人々に使われているスマホアプリを知ることは、世相だけでなく、消費やビジネスチャンスなどの端緒やヒントを探ることにも結びつくといっても過言ではありません。

2023年の日本人はいま、どんなアプリを所持し、実際の生活シーンで利用しているのでしょうか?アプリ分析サービス「App Ape(アップ・エイプ)」のデータから探りました。(記事:日影耕造)

日本人1人当たりの月間利用アプリ数は41個

2月末に公開予定のアプリ利用を取り巻くさまざまなデータを紹介する「アプリ市場白書」の最新版によると、2022年の日本人1人当たりの月間利用アプリ数は41個となっています。

2021年版はこちらから

そこで、App Apeで蓄積するカテゴリー別の月間利用者数(MAU)ランキングから2023年1月の最新データを抽出。人々の生活実態に即して利用されるアプリの姿を探ることを加味し、プリインストールや端末・キャリア由来、汎用的な用途のブラウザ系のアプリを除いた上位50個のアプリの顔ぶれを取りまとめました。

その上で、前年同月比較できるApp Apeのデータで最も古い2019年1月と比較し、その傾向を読み解きました。

ユーザーの裾野が広がるアプリ、情報収集から生活インフラへ

MAUランキング上位50アプリの合計MAUは7億1006万人で、2019年に比べ68%増となりました。幅広い世代にスマホが浸透した結果、ユーザーの裾野が広がっていった様子がデータから見てとれます。

カテゴリー別のアプリ数を見ると、2019年当時は「ニュース&雑誌」が最も多く、情報収集手段としてアプリの役割の大きさが推しはかられます。

一方、2023年1月になると最も多いのは「ライフスタイル」。さらに決済系アプリを筆頭とする「ファイナンス」や消費に直結する「ショッピング」が続きました。

生活に密着したアプリが多くランクインする結果となっており、単純な情報取得端末ではなく生活インフラとしての重要性が増している様子が伺えます。

個別のアプリの顔ぶれを見ると、ライフスタイルは「ファミペイ」「マツモトキヨシ公式アプリ」「ローソン」などが2023年に新たにランキング入りしています。生活に密着した小売アプリのユーザー規模が拡大していることがわかる陣容です。

ファイナンスは「PayPay」「d払い」「au PAY」と決済系のアプリが増えました。ライフスタイルに属する「ファミペイ」も決済機能を有しており、この4年間のモバイルペイメントの普及度合いを端的に示していると言えます。

ショッピングは「PayPayフリマ」と「UNIQLOアプリ」が加わりました。このうち、「UNIQLOアプリ」はショッピングからライフスタイルへとカテゴリーを鞍替えしています。各社の戦略がカテゴリー選択にも滲み出ます。

MAU上位50アプリの顔ぶれ

2019年と2023年の各年1月のMAU上位50アプリは上記の通りです。23アプリの入れ替えがありました。

注意が必要なのが、あくまで相対的な立ち位置であり、順位変動と当該アプリMAUの増減は必ずしも連動していないということです。

例えば、23年にMAU50位の料理動画アプリ「クラシル」は19年に比べて順位こそ10位落としていますが、MAU自体は61.2%増と大きく成長を遂げています。

生活インフラとしてのアプリの役割が大きくなった結果、他のさまざまなアプリが登場したことで、アプリ市場全体が底上げされている象徴的な事例と言えるでしょう。

生活にデジタルが溶け込む

コロナによるデジタルトランスフォーメーションの波が予想外に大きく押し寄せた2023年の日本人は、より生活に近いところでアプリを利用しており、インフラとしてのアプリの役割がますます大きくなっていることがMAUという単一の指標からも大いに垣間見ることができました。

筆者は人々の生活にアプリやデジタルが溶け込み、生活をより豊かにする余地がまだまだ残されていると感じています。

アプリのデータがビジネスを成功に導くヒントはもちろんのこと、人間の姿を読み解き、おぼろげな現代の人々の実像を明らかにする端緒を探るためにも、アプリのデータをウォッチし続けたいと思います。

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