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自分もプロダクトも、継続的に磨いていく━━フラーAndroidエンジニアの美学

日々の業務をこなしながら、それらとは別に、エンジニアとしてのスキルアップも図っていきたい━━。
そんな思いを持ち、実際にさまざまな形で自己研鑽に励むメンバーが、フラーにはたくさんいます。

今回はその中のひとりで、Androidエンジニアをしながら、コンピュータサイエンスの学士号を取るために米国の大学へオンラインで通うメンバーに、話を聞いてみました。

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奥澤 俊樹(おくざわ としき):
1984年生まれ、茨城県つくば市出身。東京工業大学卒業後、エネルギー・環境に関するコンサルティングサービスを営む企業に就職。大学院修了後、ソフトウェアエンジニアとして複数のスマートフォンアプリの開発に携わる。2019年9月フラー株式会社に入社。現在は『共創スタジオ』チームにて、アプリ制作におけるAndroidアプリの開発を担当。

━━フラーではどんなお仕事をしていますか?

奥澤:
共創スタジオで、Androidエンジニアをしています。いくつかの案件を担当しており、プロジェクトリーダーを務めているプロジェクトもあります。

共創スタジオとは:
「本当に必要なモノを、お客さまと共に創る」を理念に掲げ、プロダクトの企画・開発・運用から分析までと、お客さまへ一気通貫した支援を行う事業部。
 詳細は、こちらをぜひご覧ください!:https://www.kyoso-studios.com

プロジェクトリーダーは、社内におけるプロジェクトの推進を担います。

朝会を設定して、タスクを確認。なにか障害があれば、状況をきちんと把握し、どうすれば良いかを先頭に立ってみんなと一緒に考えていきます。

お客さまとのやり取りはディレクターさんにお任せしているので、このように、社内での諸々の牽引や調整を担当している形です。

━━フラーへ入る前はどのようなお仕事をされていましたか?

いろいろやっていました。転職回数は多い方だと思います。

20代の頃は原子力関係の仕事をしていました。
学生の頃からエネルギー問題や環境問題に関心があり、東工大で材料工学を専攻。所属した研究室が原子力関係の材料の研究をしていたので、そのままその分野の会社に入りました。

入った会社では、海外の原子力開発の動向を調べ、国内の事業者に提供する仕事をしていました。エンジニアとコンサルタント、半々のような業務ですね。

そんな中、やはり環境問題などへの関心から、30歳を迎える前くらいの頃に、社会人修士として大学院で社会的責任投資(※)について学びました。それが、原子力からITへと業界を移ることになった転機のひとつです。

※……投資先の評価として、企業の社会的責任(CSR)を考慮に加える投資手法

というのも、社会的責任投資の世界では、原子力の問題点などについても学ぶ機会が多く、それらと自分の仕事との折り合いがうまくつけられず、モヤモヤとしてしまって。

それから起きた3.11もきっかけのひとつです。
原子力関係ってもともと、個人では事を動かせないなという無力感があったのですが、あの事故で、「結局、自分はなにもできていないんじゃないか」と悩むようになって。

エンジニアへの転向を考えるようになったのは、その頃からです。

アプリ開発については、社会人修士として大学院で学ぶにあたり、数値解析を行うためにPythonでプログラムを書く必要があったことから、興味を持つようになっていました。
それまでも会社の社内教育で書いた経験はあったものの、実務としてはやっておらず、その時は正直、あまり興味もなかったのですが……(笑)

ちょうど、私が社会人修士として学んでいたのは、スマートフォンが出たころ。
「手のひらサイズの端末でなんでもできてすごいな」と、大きな可能性を感じました。
そしてなにより、それまで就いていた仕事と違い、エンジニアなら、一人でももっといろいろなことができるんじゃないか……そんな思いがあって。

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それから、仕事をやめて地元に戻り、独学で勉強をしました。そのうちに知人から「開発を手伝ってくれ」と言われ、仕事をしながら覚えていくように。
最初入った会社では特に教えてくれる人もおらず、大変でした(笑)
その次にはコードレビューのある環境に行って、だいぶスキルを磨けました。

それからも何度か、転職は重ねました。業務内容や待遇を求めてというより、カルチャーの部分で自分に合う会社を探していた感じです。

━━フラーへ来たきっかけはなんですか?

フラーのことは、入社するずっと前から知っていました。筑波大学出身のベンチャー企業ということで、自分もつくば出身・つくば在住なので注目していたんです。

きっかけはある日、Twitterでフラー社長の渋谷がメッセージをくれたことです。誘ってもらったので何度か会社に遊びに行って、その内に入ることになりました。

入った理由としては、まずはやっぱり、自分の住むつくばから通勤しやすい位置にあったこと。
それから、会社の雰囲気が楽しそうだったのがとてもよかった。転職において重要視していた「カルチャー」が、この会社は自分に合うように感じたんです。

思い出す具体的なエピソードといえば、遊びに来たとき、メンバーがオフィスで「マジック:ザ・ギャザリング」をやっていたこと(笑)
そんな会社は今までなかったので驚きました。自分も昔からやっていたので、交ざりたいな、なんて思ったりもして(笑)

━━フラーへ実際に入社してからはどうですか?

同じアプリ開発といっても、仕事への姿勢が、今までとはずいぶん違うところに来たなと感じます。

共創スタジオでは、プロジェクトに企画段階から入って、お客さまにこちらからいろいろな提案をすることができます。
アプリの改善事項を社内で洗い出したりしもしますし、「ここ改善できるよね」というところを見つけたら、どんどんお客さんのところへ持っていくチームです。
そうやって、とにかく積極的に提案できる雰囲気なので、それは前職と違うかなと。

チームには「改善しよう!」という意欲の強い方が多くて、自分も負けないようにしようと思っています。

━━なにか印象深いことはありますか?

プロジェクトの改修を行えたことと、そのための体制をきちんと作れたことですね。

自分がフラーに入ってすぐにジョインしたプロジェクトは、ある企業さんの公式アプリでした。
最初のリリースとなったバージョンでは、もちろん大きな不具合があったわけではないのですが、内部的なところでいうと、アーキテクチャの観点などから、あまりモダンな作りにはできていなかったんです。
今すぐになにか困ったことが起こるわけではないとしても、継続的に運用するのには向かない部分がありました。

そこで、その改修をしよう、と。
誰にやれと言われたわけではないんですが、これからの保守のことを考えれば、やっぱりやっておきたくて。

地道にリファクタリングをしたりライブラリを入れたり、テストの書きやすいコードにしたりと改修を重ねていって……プロジェクトが大きいので、隅々まで完全にというのはちょっとまだ難しいのですが、現状、かなり手を入れられたと思っています。

これはとても大切なことで、私はよくディレクターさんなんかにお話させていただくのですが、機能追加ばかりをやっているとコードに負債が貯まります。
負債が貯まるとどうなるかというと、今まで新規に機能追加するのに10の労力で済んでいたところが20になり30になり、どんどん大変になっていく。
逆に言えば、リファクタリングなどの改修作業に時間をかけるというのは、将来的に見て、機能追加をしやすくするということでもあります。
なので、時間をとってリファクタリングはしていきましょうと、折に触れてお伝えしています。

フラーのディレクターさんは、エンジニア発信のこういう提案を理解してくれる方ばかりです。
ディレクターさんと私たちエンジニアに限らず、フラーはどの職種のメンバー間でも、フラットにディスカッションできています。これはとてもいいことだと感じますね。

お客さまにも「この期間は機能追加はせず、コードの改善にのみコミットします」ということをお伝えし、ご理解いただけています。
こういった環境での開発なので、プロジェクトはどんどんよくなっている実感があります。

共創スタジオのプロジェクトは納品して終わりではありません。継続的に運用をしていくのが前提です。
なので、こういったリファクタリングの文化は、ずっと大切にしていきたいと思っています。

━━これからの目標を教えてください

私は今35歳ですが、ソフトウェアエンジニアリングの世界に入ったのは30歳くらい。
専門としているAndroidの開発はできている手応えがありますが、ソフトウェア全般についての基礎的な部分については、まだ理解が足りないなという思いがあります。
たとえばこれから先、Android以外をやることになったときに対応できるのだろうか、と。

また、それを抜きしても、そもそも単純にそういった勉強が好きなので、知識をつけたいという気持ちもあります。

そこで今、コンピュータサイエンスの学位を取ろうと、アメリカの大学にオンラインで通っています。
オンラインでコンピュータサイエンスの学位が取れる、という話を耳にしてからしばらく悩んではいたのですが……サイトでちょっとボタンを押したら申込手続きが終わったので……こう、手が滑ったというか(笑)

ちなみに申込手続き後は、学歴の他に、授業についていけるだけの英語力があるかどうかについての審査がありました。英語力を示す方法については、「TOEFLなどの試験結果を示す」もしくは「実際に英語について学ぶコースに通って、所定の成績を修める」という二つのやり方があります。自分は後者で通りました。
コースには、二ヶ月間ちょっと通っていましたね。

実際の授業は、ちょうどこれから始まるところです。
数学やプログラミング基礎、コンピュータシステム、データベース、ネットワークなどなどについて学びます。
個人的にはOS関係が楽しみです。AndroidもOSなので、ここら辺の知識をつけたい。
学位取得までは6年ほどかかる予定です。……本当にやるのか? とはちょっと思いますが(笑)。

こうしたオンラインという形ならばフラーの仕事をしながらでも通えるし、学ぶ内容も、もちろんフラーの仕事に活かしていけると思います。

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━━最後に、Androidエンジニアの方々にメッセージをお願いします

共創スタジオには、ロールやプロジェクト、契約形態の垣根を超えて、アプリの改善点をカジュアルに議論できるカルチャーがあります。
もちろんすべてのアイデアが採用されるわけではないですが、プロダクトに自分のアイデアが取り入れられる楽しさを感じることが多いです。また、自分から手を上げればやりたい仕事をやらせてもらえる点もいいところです。

能動的に仕事・プロジェクトを進めたいという方であれば、毎日楽しく仕事ができるかなと!
Androidアプリエンジニアとしては、自分で新しい技術を試して取り入れたり、しっかりとした設計をしていきたい、という方であれば楽しめると思います!

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