フラーのデジタルノート
アプリは“コンセプトの定義”で決まる。フラーのディレクターが見出した、子ども向けアプリの提供価値
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アプリは“コンセプトの定義”で決まる。フラーのディレクターが見出した、子ども向けアプリの提供価値

フラーのデジタルノート

「dキッズ」は、NTTドコモが手がけるスマホ・タブレット向け知育サービスです。

2021年10月のアプリの全面リニューアルに当たり、フラーはアプリの企画立案からコンセプトの定義、体験設計、デザイン、アニメーション・キャラクター制作、アプリの機能の仕様策定、さらにはガイド冊子のデザインまで、幅広い業務でドコモと共創しました。

プロジェクトをすすめる中で、実際に企画やデザインを手掛けたフラーのメンバーはどのような思いをもって取り組んだのでしょうか。

「ヒトに寄り添うデジタルを、みんなの手元に。」をミッションに掲げるフラーでデジタルの専門家としてもの創りに取り組むメンバーが、それぞれのプロフェッショナル領域や興味関心をもとに綴りました。

今回の記事を書いたのは、「dキッズ」の企画・ディレクションを担当したディレクターの金澤創平です。(編集:吉川璃子・日影耕造)

金澤 創平(シニアディレクター)
プロフィール:高専卒業後、エンジニアとして8年間Web開発に携わった後、2009年からは一貫してスマートフォンアプリの企画・ディレクション等に携わる。大手ネット企業やベンチャー企業を経て、2020年フラーに入社。ガジェット好きでこれまでに保有したスマートデバイスは40台にのぼる。

親と子どもをつなぐ架け橋をつくる

「dキッズ」は、幼児・子ども向けの40種類以上の知育アプリが遊べる月額制のサービスで、2013年から提供されています。

長く運営されてきたサービスでしたが、操作性の改善、豊富なコンテンツの見つけやすさなど、ユーザー体験の向上を目的として全面デザインリニューアルを行うこととなり、フラーがパートナーとして支援させていただくことになりました。

リニューアルにあたって最も重要な作業としてまず行ったのは、「コンセプトの定義」です。

フラーではどのような案件においても、必ずコンセプトの定義を行います。コンセプトがその後のプロジェクト企画、アプリの出来栄えに大きく影響を及ぼすからです。

具体的には、どのようなユーザーに、何のために、どのような価値や体験を提供するのか、アイディアを出し合いながら言語化し、クライアントと認識を合わせていきます。

カジュアルゲームや子どもの興味を引く動画など、子どもが一人で楽しむコンテンツは世の中に数多くあります。

そのような中での「dキッズ」の提供価値は、「子どもが自分で楽しめて、保護者も子どもとのコミュニケーションを通じて子どもの成長を感じられる体験を作れること」なのではと考えました。

ゲームや動画を楽しむだけではなく、様々な知育コンテンツを通じて学びや理解が深まり、子どもの「できた」が一つでも増えること。そしてそれを目の当たりにした保護者が子どもの成長を感じられることーー。
このように知育アプリという枠を超え、子どもの「できた!」を保護者がほめるといったリアルなコミュニケーションのきっかけを生む、「親と子どもをつなぐ架け橋」というコンセプトを定義しました。

既存アプリのリニューアルという難しさ

定義したコンセプトに基づく体験設計は、「dキッズ」サービスの全ての画面と機能を紐解く作業から始まりました。

既存のアプリとWebの画面遷移を図に起こしていきましたが、過去の様々な経緯によって用意されている画面などもあり、想像以上に複雑なパターンが存在しました。

それぞれの画面の役割を見直し、ユーザーを迷わせない導線設計をするため、クライアントに目的や運用方法などを細かくヒアリングしながら、各機能・画面の優先度をつけていきました。

今回は新しくゼロから開発するものではなく、すでにあるアプリをリニューアルするものでした。そのため、既存の機能を維持し、必要なものをしっかり残しながら、よりよいユーザー体験になるよう設計していくという、通常に比べて高い難易度の作業となりました。

ここが一番難しいポイントでしたが、クライアントやデザイナーとも議論を重ね、検討を進めていきました。

結果的に、既存の機能を保ちながら、保護者と子どもが迷わず遊べるような全体デザインができたと考えています。

保護者と子ども、それぞれの体験を設計する

「dキッズ」アプリの特徴は、利用者が単純にアプリを所持するヒトではなく、「保護者」と「子ども」の二手に分かれる点にあります。

契約や初期登録は保護者が行い、実際に利用する場合には、保護者がアプリを起動してから子どもにスマートフォンやタブレットを渡すといった流れです。

そのため、設定やお知らせといった保護者向けの画面と、子どもが遊ぶ画面が混在しないよう明確にデザインを分け、子どもが迷わず遊べるアプリになるよう意識しました。

「 注目のアプリをお知らせしたい」「キャンペーン情報を訴求したい」といった運用側のニーズがある場合にも、その訴求は保護者にすべきものか、子どもにすべきものかをよく整理した上で、それぞれに向けたデザインをするように心がけました。

また、低年齢の子どもは「やりたい!」という気持ちに実直で、直感的に行動する傾向があります。

こうした気持ちを大切にするため、子どもが遊びたいコンテンツを画像で認識しやすい画面設計を行いました。

一方で、大人が机上で考えているだけでは想像に過ぎませんし、何より子どもの気持ちが分からないことも多くあります。

そこで、社員のお子さん数人に実際にアプリを触ってもらいました。

どのような操作をするのか、どのような反応をするのかなど、実際に遊んでもらうユーザーテストを繰り返し行ったことで、多くの気付きを得ることができました。

子どもは反応が分かりやすく、「わー!こんなのがある!」「これやりたい!」「これ分かんない」と本当に素直です。そのおかげで、遊ぶ様子を動画としてママ・パパ社員に撮ってもらうだけでも参考になることが多かったです。

━━成功の秘訣は「密なコミュニケーションを意識すること」

全体の画面設計と画面デザインに合わせて、仕様も詳細に決めていきました。

今回開発を担当したのはフラーではなく別の開発会社さんでした。齟齬なく伝わるよう、仕様書などのドキュメント作成にも気を使いました。

細かいコンテンツの表示順や様々な条件パターンなどロジックについても、話し合いながら詳細を詰めていき、開発段階でも常に連携して進めていきました。

リリース前のテストでは、フラーとして最終的な品質にも責任を持つため、意図した仕様やデザインであるかどうかだけでなく、ユーザー目線でのユーザビリティ観点もしっかり確認を行いました。

自分たちの業務領域に線を引かず、クライアントや開発会社さんと一体となって良いプロダクトを出す――。そんな気持ちで密なコミュニケーションを意識して取り組んだ結果、長期に渡るプロジェクトでしたが、問題なくリニューアルを成功させることができました。本当に何よりの大きな成果だったと思います。

「dキッズ」のガイド冊子

また、今回のリニューアルに合わせ、全国のドコモショップ等で使われる「dキッズ」のガイド冊子の制作も担当させていただきました。デジタル領域だけでなく、アプリを使う前の「dキッズ」を知るきっかけになる部分にも関わることができたことで、サービス全体の理解も深まりました。

「子どもファースト」なプロジェクト

リニューアル後、アンケートでは「キャラクターがかわいい!」といった声や「子どもが楽しく遊んでいる」といった声を多くいただきました。

画面デザインの大幅な変更により、当初はなかなか慣れないといった意見も一部ありましたが、リリース後、数値分析などにより浮かび上がった課題にもすぐ対処していくことで、一人当たりのアプリを遊ぶ回数といった数値も伸ばしていくことができました。

リニューアルに合わせて、アプリの利用傾向を分析するダッシュボードも作成し、日々の分析・改善に役立てています。

取り組み全体を通じて、子ども向けのアプリを担当する中でとにかく意識したのは、子どもの視点で考えるということでした。

何かを検討するときに「普通ならこうだよな」と考えるところを、「じゃあそれが子どもだったら?」と都度変換をかけるようなイメージです。

文字があまり読めない子どもに対して画像で分かりやすく伝えてあげることや、楽しさを演出するアニメーション・デザインなど、どうしたら子どもが楽しく喜んで使ってくれるかを中心に考えました。フラーが手掛けた子供向けプロダクトは、キッズデザイン賞を受賞した「NHK キッズ」に続き、これで2つ目となります。

パートナーも含め、プロジェクトのメンバーにはちょうど低年齢の子どもを持つ親が多く、自分ごと化して考えやすかったことも大きかったですが、フラーが大切にする「ヒトに寄り添う」という価値観をまさに体現できたプロジェクトだったと思います。

 【「d キッズ」は、株式会社NTT ドコモの商標または登録商標です。 】

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