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緊急事態宣言下に”仮想ゆるライフ”を楽しむ女性が増加中?【アプリ情勢月次報告】

各月のスマホアプリの利用動向データから市場や人々の生活、トレンドの変化を毎月紹介する「月次アプリ情勢報告」。今回は2021年7月のアプリ市場全体の大きな動きのほか、アプリ分析サービス「App Ape(アップ・エイプ)」で蓄積するユーザーデータをもとにした、2021年7月のSNSアプリ月間利用者数(MAU)ランキングをまとめました。

アプリ業界のトレンドを知りたいマーケターの方、アプリインストール施策に役立つ分析ツールをお探しの方は必見の内容となっていますので、ぜひ参考になさってください。(数値はApp Ape推計、iOS・Android合算)

アプリの月間利用ユーザー数は高止まり傾向

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まずはアプリデータ全体のMAUを見ていきましょう。7月のMAU上位500アプリの合計MAUは前月比0.2%減、前年同月比19.6%増となりました。

さらに7月のMAU上位100アプリのうち、前月比10%増以上となったアプリは3アプリ。タイトルは「ウェザーニュース」「ABEMA(アベマ)」「TVer」で、天気関連の情報取得のほか、巣篭もり志向で引き続き動画コンテンツの消費が旺盛だったことを示唆していると筆者は見ています。

前年同月比30%増以上となったアプリは41アプリとなりました。

SNSランキングTOP10

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今回注目したカテゴリーは、「ソーシャルネットワーク」です。

2021年7月のソーシャルネットワークカテゴリのMAUランキングTOP10から、多くのユーザーが利用したアプリの傾向を見ていきましょう。

7月のソーシャルネットワークカテゴリMAUランキングトップテンの1位は「Twitter」で、以下、2位「Instagram」、3位「Facebook」、4位「Ameba」、5位「pixiv」、6位「マチコミメール」、7位「Zenly」、8位「note(ノート)」、9位「mixi」、10位「Spoon」となりました。

上位アプリには順位の変動はなかったものの、全体的にMAUは増加傾向にあります。また、6月時点で11位だった「mixi」が新たに2つ順位をあげてトップ10にランクインしました。

上位3アプリの年代別MAU傾向:「Twitter」

MAU上位500アプリの合計MAUの推移(2021年5、6月アプリ市場月次報告).001

SNS上位3アプリについて、7月の最新データから利用者属性をまとめました。

Twitterの性年代別割合を見ると、ボリュームゾーンとなっているのは20代女性の12.7%。次いで20代男性12.6%、40代男性11.2%と続きました。10代のMAUは男女共に4.9%となりました。

​​Twitterは、2021年2月にユーザーベースと売上高の成長、プラットフォームでの新機能展開のスピードアップに焦点を当てた3つの長期目標とともに、これまでの2倍となる「2023年までに年間総売上高を75億ドル(約8000億円)以上に引き上げる」との目標を掲げ、2021年7月末現在までに様々な新機能を発表してテストを行ってきました。(出典:TechCrunch 日本語版、2021年2月26日:Twitterが2023年までに売上高を倍増させる計画を発表、デイリーユーザー3.15億人を目指す

最新の情報(引用:Twitter公式 原文)では、課金システム「Super Follow(スーパー・フォロー)」という個人の収益化を図る新機能のほか、プライバシー保護に向けて「ツイートの公開制限機能」やアカウント検索時の「電話番号検索制限」などを公開しています。(Twitter Help Center :Super Follows

「Super Follow(スーパー・フォロー)」ではフォロー自体が有料となる代わりに、限定コンテンツ、限定コミュニティへの参加、eコマース取引、サポーターバッジなどの特典が予定されています。利用者数を増やすこと、ひいては現状利用しているユーザーのアプリ滞在時間を伸ばすことが予想され、今までのTwitterには無い個人の定期的な収益化システムを構築していくこととなるでしょう。

すでにSNSで利用されてきたアフィリエイトや投げ銭などとは異なった形の「つぶやき」で得た個人の影響力を元にした「稼げるプラットフォーム」としての進化を続けています。

上位3アプリの年代別MAU傾向:「Instagram」

MAU上位500アプリの合計MAUの推移(2021年5、6月アプリ市場月次報告).001

Instagramは写真投稿をベースに簡単に編集が可能な「ストーリーズ」、短尺動画の「リール」、最長60分の動画をフィードやストーリーに投稿可能な「IGTV」などの機能現在の核となっています。


写真が並ぶシンプルなタイムラインが特徴で「ファッション/コスメ」や「フード」との相性が良く、7月のMAUでも20代〜40代女性を中心に利用されている様子が伺えます。男性では20代が10.0%と高い割合を示しました。


上位3アプリの年代別MAU傾向:「Facebook」

MAU上位500アプリの合計MAUの推移(2021年5、6月アプリ市場月次報告).002

「Facebook」は実名登録を必須条件としていることから、企業や団体、ビジネスコミュニティの形成にも応用されることのあるSNSです。
MAUが最も高かったのは40代女性で13.6%、40代男性で13.5%、30代女性で11.6%となりました。他上位SNSと比べると10代・20代の若年層の利用率は低い傾向にあり、ビジネスパーソン世代の利用が大半であることがうかがえます。

根強い「アバター・育成系」人気、リヴリーアイランドが新登場で24位

スクリーンショット 2021-08-31 午後5.22.00

Google Playより引用、2021年8月31日確認)

個別のアプリで注目したのは、7月15日にローンチした「リヴリーアイランド」です。コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言で巣篭もり志向が高まる中、7月半ばからの集計にもかかわらずゲームカテゴリーのMAUランキングで初登場24位となりました。

「リヴリーアイランド」は2003~2019年にブラウザ版として提供されていた育成コミュニケーションゲームのスマホ版で、リヴリーと呼ばれるペットを育成したり、プレイヤーの分身となる「ホム」を着せ替えたり、島を飾り付けたりとさまざまなプレイを楽しめるゲームです。

ソーシャルネットワークカテゴリの月間利用ユーザー数上位50位アプリを見ると、21位にスマートフォン用のキャラクター着せかえ「ポケコロ」、25位にアバターコミュニティアプリ「ピグパーティ」、29位に「ポケコロツイン」がランクインしています。

7月のMAUの性別比を見ると、いずれのアプリも女性ユーザーのアプリ所持割合が高く、リヴリーアイランドで88.4%、ポケコロで83.4%、ピグパーティで67.2%、ポケコロツインで80.1%となっています。

アバターで自身やペットを着せ替えたり自分の空間を作っていくような、マイペースで進められる繋がりだけにフォーカスしない仮想空間とコミニュティ要素を併せ持ついわば「仮想ゆるライフ」なアバターアプリが女性を中心に人気のようです。巣篭もり志向が長期化する中、今後の動向が気になります。

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