最新月のスマホアプリの利用動向データから市場や人々の生活、トレンドの変化を毎月紹介する「月次アプリ情勢報告」。2021年4月のアプリ市場全体の大きな動きや個別のトピックについて、スマホアプリ分析ツール「App Ape（アップ・エイプ）」のデータをもとに解説します。

緊急事態宣言で飲食・店舗系アプリのMAUが減少

2021年４月のMAU上位５００アプリの合計MAUは前月比4.7%減、前年同月比27.7％増となりました。

500アプリのうち前月比10％減以上となったアプリは133アプリ。そのうち飲食店や実店舗で利用するアプリは25アプリでした。

緊急事態宣言に伴い飲食店や小売の実店舗では営業時間の短縮を実施している場合が多くあり、実店舗で利用するアプリを中心にMAUが減少したと筆者は見ます。

緊急事態宣言によって地図アプリの代表格「グーグルマップ」は前月比2.7％減となり、コロナウイルス の第三波が顕在化した20年12月以来4カ月ぶりに減少に転じました。

一方、前年同月比は17.2％増でした。1回目の緊急事態宣言に比べ、地域が限定的であることや、感染症対策を講じた上での人々の移動がこの1年で定着していることを示唆しています。

ピックアップその１：かんぽ生命、営業本格化で「すこやかんぽ」MAU過去最高に

かんぽ生命が手がける健康記録アプリ「すこやかんぽ」のMAUは前月比2.1倍に跳ね上がり、過去最高を記録しました。前年同月比でも5.0倍となりました。

かんぽ生命は4月、自粛していた新規顧客に向けた個人向けの保険商品の案内や訪問活動を再開しました。これに伴いアプリを活用したマーケティング活動も活性化したもようです。

ピックアップその２：PayPay銀行が急上昇

PayPay銀行が手がける「PayPay銀行アプリ」が前月比30.9％増と過去最高を記録しました。前年同月比では倍増しています。

インターネット専業のジャパンネット銀行から改称し、4月5日から業務を開始したPayPay銀行は4月、誕生を記念した新規口座開設キャンペーンを実施。入金などの一定の条件を満たした新規口座開設者への現金プレゼントが大きなインセンティブとなり、MAUが大きく伸びたと見ます。

ピックアップその３：ウマ娘がゲームカテゴリーMAU4位に

ゲームカテゴリーのMAU上位10アプリを見ると、3月に初のトップ5入りした「ウマ娘」がさらに順位を一つ上げました。「トゥーンブラスト」「どうぶつの森 ポケットキャンプ」「ホームスケイプ」も順位を上げました。

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App Apeで蓄積するスマホアプリの利用動向データから市場や人々の生活、トレンドの変化を紹介する「月次アプリ情勢報告」は、前月分の動きを翌月に掲載します。

筆者・日影耕造（ひかげ・こうぞう）：建設業、農業の各専門新聞記者として合計10年活動後、2017年フラー入社。データに基づくコンテンツ作成やマーケティング、SNS運営、広告運用、プロダクト広報などを手がける。趣味はギターと焚き火。自転車と登山も好き。最近は釣りにはまりつつある。