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フラーデザインの「成長のための仕組み」

『フラーデザイン』は、デジタル領域に特化したデザイン組織です。

以前、フラーCDOの櫻井が『デジタル時代を生き抜く、統合するデザイナー』と題し、フラーデザインが考えるこれからのデザイナーのあり方について考えを綴りました。

今回のデジタルノートでは、櫻井率いるフラーデザインが普段デザインの力を高めるためにどのような取り組みをしているのかを具体的にご紹介します。

書き手は、デザインマネージャーの古賀です。

古賀(デザインマネージャー)
プロフィール:お茶の水女子大学卒業後、専門学校日本デザイナー学院にてグラフィックデザインを学ぶ。IT系企業数社を経て、2021年6月フラー入社。現在は新規サービスの企画デザインや、既存サービスの改善など、複数の案件にリードデザイナーとして携わっている。また、デザインマネージャーとしてマネジメントや採用も担当。

こんにちは、フラーでデザインマネージャーをしています、古賀です。
フラーでは、2022年、デジタル領域特化のデザイン組織「フラーデザイン」を立ち上げました。

そこから試行錯誤しながら、
・1人ひとりの成長のための仕組み
・フラーデザインとしての品質を高める取り組み
を考え、実践しています。

今回はその仕組み・取り組みの中からいくつかをご紹介したいと思います!
フラーデザインの特色や実際の雰囲気が少しでも伝わったら嬉しいです。

前提:フラーデザインで育む4つの力

フラーデザインでは、「4つの力」を磨いていくことが大切だと考えています。
これについてもお話ししたいのですが、語り出すとキリがないので、この場ではどんな力なのか、ざっくり簡単に例をあげてみます。

①理解する力
(例)
・クライアントのビジネス・プロダクトへの理解
・デジタルトレンドへの理解
・ユーザーへの理解
・技術トレンドへの理解
・プラットフォームの仕組みへの理解 などなど…

②設計する力
(例)
・プロダクトの方向性・コンセプトの設計
・ユーザーのストーリーラインの設計
・ワイヤーフレーム・画面遷移図の設計
・ユーザビリティの観点での設計
・デザインデータの作り方の設計 などなど…

③表現する力
(例)
・デザインの4原則
・記憶に残る美しい見た目の表現
・方向性に合うワーディング
・様々な媒体に対する美しい表現
・実装可能で柔軟な表現 などなど…

④伝える力
(例)
・クライアントに対して適切に伝える
・チームに対して適切に伝える
・伝わりやすい表現 などなど…

フラーデザインでは様々な取り組みを行う上でも、いつもこれらの4つの力を主軸として考えています。
そういう前提で考えられているんだな〜と思っていただけたら嬉しいです!

各種勉強会・共有会

そんな4つの力を育むべく、フラーデザインでは、現在主に4つの会を開催しています!

①デザイン会

「デザイン会」は、週に一度1時間、デザイナー全員が集まって開催する会です。

現在フラーのデザイナーの人数は20名ほど。そんなデザイナー同士の交流をする・ノウハウを共有する場として設定しています。

最近つくったデザインや学んだことを共有したり、相談したいことがあればこの会に持ち込んだりしています。

フラーでは、担当するデザイン領域も広く、クライアントも様々なので、幅広い知見やデザインのノウハウが集まります。

こういった場を通して、新たな知見を得たり、行き詰まっている部分の糸口を見つけたりすることもできます。

「ああこの人はこんなデザインが得意なんだ!」「今度似たことをする予定だからちょっと詳しく話を聞いてみよう!」というきっかけになったり、ということもあります。

フラーの業務では普段それぞれのプロジェクトの中でデザインをしているため、ともすると横のつながりが薄れてしまいがちですが、この時間を通して、デザイナーみんなと交流することもできます。

メンバーからは、毎週のこの時間を楽しみにしているという声もよく聞きます。(わたしもその1人です!)

ちなみに、フラーは職種間の関係性がフラットなのもあり、デザイン会にもちょこちょこエンジニアさんが遊びにきてくれます。(嬉しい)

②LT(ライトニングトーク)

月に一度、業務内外問わず得た学びを共有することを目的として、LTの場を設けています。

デザインをする上で、使える引き出しを増やしておくことはデザインのスピードや質に大きく寄与します

日々の業務の中では、どうしても目の前のことに対しての知識やスキルを身につけることが優先になります。ですが、フラーのデザイン領域はかなり広い。そのため、いつどういう知識やスキルが必要になるかわかりません。もしかしたら業務外で役に立つ場面も出てくるかも。

せっかく人数も増えて、デザイナーとしても様々な個性や強みを持ったメンバーが集まっている。
そして各々が業務内外で様々なデザイン活動をしている。

そのよさを思う存分生かしていくべく、開催しています。

LTは、聞く側にとって「理解する力」のためになるという面はもちろん、実は、話す側にとっても、「伝える力」の訓練になるという面もあります。

最近は、LT用の資料をNotionで準備する形にしていて、限られた時間の中で、いかに要点を的確に伝えられるか、という点も鍛えられるようになっています。

これまでのLTの例をあげるとこんな感じ…

  • UXライティングを学ぼう

  • レタースペーシングをやってみよう

  • イラストが得意なメンバーによるイラスト講座

  • 個人の活動でつくったVRコンテンツの制作秘話

  • DTP出身デザイナーによる入稿データ作成虎の巻

などなど…

発表内容はFigmaやNotionでいつでも振り返れるようになっていて、当日参加した人はもちろん、参加できなかった人や新しく入社した人にも共有できる状態にしています。

③勉強タイム

週に1回、各自で時間を決めて、デザインに関するインプットやアウトプットができる時間、を設けています。
これは最近スタートした取り組みなので、名前はまだ仮です。笑

掲げている方針は、「さまざまな分野に興味と関心を持ち、デザインを学びつづける」

それぞれ、何をやるかは自由。

理解する力、設計する力、表現する力、伝える力の4つのうち、例えば自分がちょっと弱いなと思っている力を鍛えたり、もっと伸ばしたい力を強化したり。

実施されていた例をいくつか挙げるとこんな感じ…

  • グラフィックを作る練習

  • Illustratorの新機能触ってみる

  • 本や記事、Notionを読む

  • Blenderを触ってみる

などなど…

個人でやるのはもちろん、複数人で時間を合わせてやることも可能としています。

例えば、何人かで呼びかけ合って、

  • 同じテーマで時間内にバナーを作ってみる「バナーノック」

  • 「言語化力を鍛える」をテーマにしたワークショップを企画して数週間にわたって行う

といったことも行われていました。

各々が勉強タイムを開始するときにSlackのチャンネルで何をやるかを共有しています(みんな「BT」と呼んだりしています笑)

この取り組みはまだ始めてから数ヶ月ですが、実際にメンバーからはこんな声も上がっています。

  • 純粋に業務時間内に勉強するための時間がもらえるのがありがたい

  • しっかりやっている人を見るとモチベーションが上がる

  • ほかの人のやっている内容を見ることで、勉強になったり、興味の幅ややりたいことが広がったりする

  • グループを組んでやることも自由なので、1人ではできないことにも取り組めるし知見の共有もできるのが良い

などなど…!

少しずつですが、全員に一律で必要な取り組みと、この勉強タイムのような、1人ひとりに合わせて必要な取り組みのバランスが取れてきているように思っています。

④VPoPによるデザイン塾

月に1回1時間、VPoPが主導して勉強会を開催してくれています。

VPoPとは… プロダクトの最高責任者として立っているエンジニア。フラーのVPoPはデザインへの理解がかなり深く、エンジニアとデザイナーの橋渡しをしてくれています。

この会の目的は、「実装しやすく、柔軟なデザイン」ができるようになるための知識を身につけること。

本当にいいもの、品質の高いものをつくるためには、デザイナーはデザインだけ・ユーザーのことだけを考えていればいいわけではありません。

どんなに体験設計や見た目がいいデザインでも、実装できなければ意味がない。

実装のことまでしっかり考えたデザインができるようになるために、エンジニアリングへの理解を深める必要があります。

フラーでは、デザインはつくって終わりだとは捉えていません。デジタルプロダクトを維持するためには、時代や技術の変化にも対応しなければいけない。そのため、プロダクトを育て続けることを考えた、変化に耐えうる柔軟なデザイン、そのための観点も必要です。

一方、デザイナーだけでエンジニアリングを学ぶのにはどうしても限界があります。

そこで生きるのが、フラーの職種間の距離の近さ。

やはり、直接エンジニアの方に聞くのがはやい!のです。

この会では、毎回VPoPがテーマを持ち込んでくれ、それについてのエンジニア観点での知識を得る。デザイナー観点ではこうしたい、ということがあればその場ですり合わせをして、では「フラーとしてはこうしていきましょう」を決めています。

これまでの内容の例はこんな感じ…

  • Figmaのデータは実装観点ではどう作るのがわかりやすい?

  • こういうときには小さい端末での考慮が必要!

  • スタイルの命名規則はどうするのが最適?

  • iOSとAndroidで異なる部分、気をつけること

などなど…

フラーのエンジニアの皆さんはデザインの意図を尊重してくださる方がとても多いです。

だからこそ、お互いに「品質の高いものをつくる」ための議論をすることができます。

組織体制・レビュー体制

ここまで、各種勉強会についてお話ししてきましたが、次にお伝えしたいことは、フラーデザインの体制面についてです。

フラーデザインでは現在、約20名のメンバーのうち、4名がデザインマネージャーとして役目を持っています。

そのデザインマネージャーが、主に2つの側面でメンバーの皆さんに関わるような体制になっています。

まず1つ目は、ペアとして1人に1人ずつつきます。
定期的に1on1を実施したり、日頃困ったことや聞きたいことがあったときに真っ先に相談できる立場になります。

2つ目は、プロジェクトごとに担当のデザインマネージャーがつきます。
そもそもフラーのプロジェクトの体制を簡単にご説明すると、基本的にはディレクター、エンジニア、デザイナーでチームを組みます。
そのうちデザイナーについてをこちらの図で示しています。

プロジェクトには、まずデザイン責任者としてプロジェクトを引っ張っていくリードデザイナー、それをサポートするサポートデザイナーがいます。

そして、担当のデザインマネージャーが、リードデザイナー・サポートデザイナーに対してプロジェクト内のデザイン制作物や進め方などへのレビューを行う、という体制になっています。

一つ特徴としてあるのが、CDOである櫻井さんが日常的にデザインレビューをしてくれます!

このように、しっかりとしたレビュー体制を組むことで、プロダクトの品質の向上や、メンバー1人ひとりのスキルアップを目指しています。

そのほかにも・・・

勉強会や体制以外の面も少しだけご紹介します。

Notionでの知見共有

クライアントワークだからこそ集まる幅広い知見だったり、アプリのデザインをする上での知見だったり、そういったせっかくそれぞれが得た様々な知見が、いろんな場所に散らばってしまっていたり、Slackで共有されたものの流れてしまったり…といったことが起こっていました。

それらをしっかり「みんなの集合知」とするべく、Notionを活用して共有・蓄積をしていっています。

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スムーズなオンラインコミュニケーション

フラーは拠点が複数あって、新潟、長岡、柏の葉(千葉)、沖縄にメンバーが所属しています。

拠点は離れていても、隔たりを感じることはあまりなく、Slackやzoomなどを活用することでスムーズなコミュニケーションができています。

例えば、Slackでは気軽に情報共有や質問ができる雰囲気があります。

ちょっと直接話したい・聞きたいことがあれば、気軽にzoomや、SlackやFigmaのハドル機能でつなげて会話することも多々あります。

最後に

ここまで古賀がお送りしました。いかがでしたでしょうか?

少しでもフラーデザインの特色や雰囲気が伝わっていたら嬉しいです!

フラーデザインについてより理解が深まる記事は他にもありますので、よろしければぜひ!

お知らせ

古賀さん、ありがとうございました!

フラーではデザイナーをはじめ一緒に働くメンバーを積極採用中です。
フラーやフラーデザインにご興味お持ちいただけましたら、お気軽にご連絡ください。

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