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新型コロナウイルス「5類」移行へ。旅行アプリの利用はコロナ前の水準に戻っているのか?

幅広い世代に浸透したことで市場や人々の生活・消費、トレンドの変化に反応する「映し鏡」となったスマートフォン(スマホ)アプリの利用動向データ。新型コロナウイルス対策の緩和による人々の旅行や移動に関連する動きの変化も敏感に捉えています。

ゴールデンウィークを前にコロナウイルスを巡る情勢がこれまでとは明らかに異なる局面となる中、旅行アプリの利用や人々の旅行や移動へのマインドはいま、どのような変化を遂げているのでしょうか。

アプリ分析サービス「App Ape(アップ・エイプ)」で蓄積するアプリのデータと、マーケティング・リサーチを手掛ける株式会社テスティーによる「旅行に関する調査」の結果をもとに、旅行アプリの利用動向を読み解きました。(数値はApp Ape推計、対象はAndroid)

App Apeの詳細はこちらから:

旅行系アプリ上位50アプリのMAUはコロナ前の9割の水準に

2023年3月の旅行&地域カテゴリーの地図系アプリを除いた月間利用者数(MAU)上位50アプリの合計MAUは910万人で前年同月に比べ23.9%増となりました。2019年3月に比べると11.9%減で、アプリのMAUベースではコロナ以前の9割の水準まで回復してきたことが分かりました。

MAUが最も多かったのは楽天の「楽天トラベル」で前年同月比45.4%増でしたが、MAU全体の増加をけん引したのは、旅行の移動手段の予約や検索に便利な交通系アプリでした。 

日本航空のアプリ「JAL(国内線・国際線)」は前年同月比42.5%増、全日空の「ANA」は53.3%増、JR東海の「EXアプリ」は56.4%増、JR東日本の「えきねっとアプリ」は57.2%増と軒並み大幅な増加となりました。

全国旅行支援関連が旅行カテゴリーをけん引

全国旅行支援が始まった2022年10月11日、旅行カテゴリーで全国旅行支援の対象となる宿泊施設や旅行商品の予約機能を有する旅行系アプリの日間利用者数(DAU)は軒並み急伸。全国旅行割開始日の2022年10月11日に最も利用された旅行予約系アプリは「楽天トラベル」で、DAUは直前の4倍に増え、過去最高を記録しました。その後もDAUは一段高い水準となっています。

全国旅行支援の当初の割引率は40%(割引上限額は1名1泊あたり、交通付旅行商品8,000円、その他5,000円)と高い上に、旅行した地域で使えるクーポンが平日で1泊あたり3000円と手厚いこともあり、ユーザーが殺到。その後も全国旅行支援の対象施設の予約が可能になるたびにアプリの利用が伸びる形となりました。

人々の旅行に対する変化の兆しはどこにあったのか?

人々の旅行や移動に対するマインドや実際の行動の変化の兆しはいつの時点から生じてきたのでしょうか。そのヒントは旅行や移動に欠かすことのできない「地図アプリ」にあります。

Googleマップの月間平均DAUを見ると、緊急事態宣言に伴い2020年5月に底を打った後、コロナ前の8〜9割ほどの水準で推移していました。

潮目が変わったのは2022年3月で、それ以降は前年同月はもちろんのことコロナ前の水準を上回るペースで利用が伸びました。

新年度を前に人の動きが活発化したのに加え、新しい生活様式での生活にようやく慣れ始め、人々がリスクと上手に向き合いながら行動を始めた様子が見えます。

旅行はSNSで情報収集してアプリで予約

テスティーが運営するnote「それ、わたし調査します」が20〜30代の男女合計1301人に実施した「旅行に関する調査」によると、2022年に旅行をした回答者が宿泊施設や移動手段を予約する際に最も多かった方法はいずれの性年代も「インターネット予約(Web)」で、57.7%〜66.3%と大半を占めました。

次いで多かったのは「インターネット予約(アプリ)」が22.7%〜30.1%となり、デジタル関連で実に9割を占めました。

テスティーが行った旅行に関する調査の詳細は、こちらからぜひご覧ください。(株式会社テスティー提供:それちょう調べ)

それちょうの記事はこちらから:

旅行アプリはここ数年で最も大きな変化を迎える

コロナとの向き合い方の変化に加え、2022年10月より開始した「全国旅行支援」をきっかけに、旅行への関心度が高まり、アプリ利用率や使用率にも大きく反映されていることがアプリのデータやアンケートデータから垣間見ることができました。

海外渡航時のコロナ関連の規制も緩和し、新型コロナウイルスの「5類」への移行も決まる中、人々の移動に対するハードルはここ数年で最も低くなりつつあります。

コロナをきっかけとした生活のさまざまなシーンにおけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速も相まって、旅行を取り巻くアプリ・デジタルの利用も今後さらに変化が加速していくと筆者は見ています。コロナを取り巻く状況が新たな局面へと進む中、人々がどのように変容していくのか引き続きアプリから読み解いていきたいと思います。

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