
メタップス x フラー『店舗集客型アプリ KPI一挙解説』(ドラッグストア・スーパーマーケット編)セミナーレポート
スマートフォン(スマホ)アプリ分析サービス「App Ape(アップ・エイプ)」を手がけるフラーは、2021年11月4日、DX支援事業を手掛ける株式会社メタップスデータマネジメント事業部 コンサルタントの髙野亮太朗氏をゲストに迎えた特別セミナーをオンラインで開催しました。
小売業界のデジタル化に取り組むにあたり、どのような指標をKPI(重要業績評価指標)として評価するべきかについて、両社が共同で作成した「KPI大全 スーパーマーケット・ドラッグストア編」をもとに両社のアプリに関する専門家が解説しました。
自社アプリ内のユーザー行動分析と定着への施策実行が強みのメタップスと、競合アプリのKPIや、特定カテゴリのアプリの市場動向を捉えることが得意なフラーの知見を掛け合わせたイベントの様子をお届けします。
今回のイベントレポート記事は特に、下記のような課題を感じている皆様に役立つ内容となっています。
・小売業界で店舗集客型アプリを始めたが、どのようなKPIを設定し運用すべきかわからない
・そもそもKPIの業界平均値がわからず目標が立てられない
・データは取得しているが、分析や活用をできていない。または分析・活用方法が分からない
本イベントで紹介している資料はこちらから無料ダウンロードできます。ぜひご覧ください。
両社の「アプリ中と外の専門家」が登壇
フラーでApp Apeのアカウントエグゼクティブを務める岸本康太郎氏と、メタップスのデータマネジメント事業部でコンサルタントを務める髙野亮太朗氏が登壇。小売関連アプリを伸ばすためのKPI指標の設定や評価の手法について、フラーの「アプリの外の分析」と、メタップスの「アプリの中の分析」を掛け合わせて解説しました。
小売系アプリは5年で10倍に

フラーの岸本氏はスーパーマーケットアプリ市場の広がりについて「2021年6月の主要6アプリの合計MAUは2016年6月に比べ10倍の成長した。黎明期ではチラシアプリに比べて規模が小さかったが、昨今ではデジタルによる顧客接点創出を目的としたアプリが台頭しつつある」と解説しました。

さらに岸本氏はリテール系アプリの利用率の比較を提示。「スーパー・ドラッグストアの月間起動率はライフスタイルカテゴリの平均を上回る水準。 安定的にユーザー接点が創出されており、アプリ利用の浸透が見て取れる」とアプリ利用の広がりを強調しました。
店舗集客型アプリのKPIで重要視すべき3つのポイント

「スーパー・ドラッグストア共に市場は伸びている。アプリも利用率が高く、 日常的に利用されるアプリジャンルとなっている」と岸本氏。「アプリによって、ユーザーの価値が異なるという前提があるため、インストール数の多さだけではアプリを正当に評価できない」と指摘しました。
その上で、サービスの特色や内容をまず比較することを前提に、小売アプリで競合アプリを含めた分析をする際には①インストール数②月刊利用者数③利用率・利用頻度ーの3つの指標を土台に評価し、成長戦略を立てることが大切であることを提起しました。
店舗集客型アプリのKPIの立て方

メタップスの髙野氏は、小売ビジネスの中でアプリが担う役割について「”リピート”してもらって”たくさん買ってもらう”が理想の形だ」と定義。「店舗に来てもらうことが目的のアプリ」に焦点を絞り、アプリ内分析の重要性について解説しました。

店舗集客型アプリのKPIツリーについて髙野氏は「アプリだけで完結することはなく、店頭での顧客行動の成果として売り上げが上がるという関係性になる」と指摘。リピート客数と商品購入数のリフトアップにアプリが貢献するという関係性を説明しました。 アプリで来店インセンティブを付与することで、店舗が獲得できる来店UU数が増え、リピートと購買促進が進む形です。

店舗集客型アプリのファネルとは

髙野氏はKPIツリーについても解説。アプリ内の顧客行動とオフラインでの顧客行動を想定してKPIに対するファネルとそれぞれの通過率を設定し、インストールしてくれたユーザーにファネルの下部へ進んでもらうことで、リピート来店UUの数を増やすための施策を展開することの重要性を訴えましました。特に「アプリ側のKPIツリーを整理して、分析の観点を把握しファネル分析をすることで、どのKPIを伸ばすべきかを捉えることが重要だ」と髙野氏。「アプリのデータと、店舗の来店/購買データが紐付けられていないケースが多いので、 正しい評価をするためにデータ基盤の構築をすることをおすすめしたい」としました。
「いい小売系アプリ」ってどんなアプリ?
それぞれの発表後に行ったパネルディスカッションで、「いい小売系アプリとは何か?」とのテーマについて髙野氏は「小売ビジネス全体で、“どこの課題を解決するか明確に決まっているアプリ”だ」と指摘。「小売ビジネス全体の課題がある中で、アプリを使うかどう使うかが決まっていて、アプリの役割をどこまで持たせるのかが決まっているのが、いいアプリだ」としました。
方、岸本氏は「小売系アプリにとっていいアプリとは、“アプリ利用率が高いアプリ”だ」と指摘。「小売系のアプリは特に実店舗と同じくらい大事な役割を持つ。いまやアプリの利用率は来店率の高さと連動していると考えている」としました。
「正しいKPIの立て方」とのテーマについて野氏は「“KPI設定と目標数値の設定”が重要だ」と指摘。「目指すゴールから逆算して、KPIツリーを作ることとKPIの改善意識を情勢するためにファネル作成があるとさらに良い」と解説しました。
岸本氏は「運用しながらKPIは変わる。自社の持っている情報(会員数、店舗数など)に加え、競合他社のアプリデータをベンチマークにおいてKPIを設計する手法もある」としました。
今回のセミナーで紹介したメタップス x フラー『店舗集客型アプリ KPI一挙解説』(ドラッグストア・スーパーマーケット編)についてはこちらからダウンロードできますので是非お手に取ってご覧ください。
App Apeについて、ご興味お持ちいただけました方は、ぜひこちらをご覧ください。
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